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Act.2 次いで主が登場し役者が揃う



ここにお集まりの先生方にお聞きになればいい。
何百という密室トリックをご存知でしょうから。

― 火村英生

(有栖川有栖 『46番目の密室』)



美崎「その場にいる男性で、一番APPの高い人は誰でしょう?」

琴音「(笑)貴子ちゃんらしい(笑)」

「えーと、こちら(PC)の男性陣はどうなんですか?」


(西谷:14、相原:12、山形:11、淀川:11)


琴音「ロマンスグレイの執事が、私いいな」

美崎「庵利御はどうなんでしょう? 霜月さんは?」

「庵さんは、西谷さんに負けちゃうかな。霜月さんは10以下ってところ」

美崎「なるほど。じゃあ、あれですね、色目を使うってわけでもないですけど、どっから来たんですかー? みたいな話を(笑)。かっこいいお兄さーん」

西谷「こっちは全く気にしないな、そんなの(笑)」

琴音「あ、顔見知りではあったんだっけ?」

西谷「そうだ。顔見知りだから、先にそっちの話になっちゃうかもしんない」

美崎「えっ? 琴音ちゃん、知り合いなの?」

琴音「うん、カズにいちゃんのお友達で、前に一回会ったことがあるような。確かね、雑誌記者なんだよ」

美崎「へえ! 凄い凄い。――何の雑誌なんですか?」

西谷「(相原を指して)この人の雑誌名を言う(一同笑)」

美崎「凄い! フォーカスの人なんですか!?」

山形「嘘をつけ!(笑)」

琴音「なんだ、鳴兎子に来てるんだったら、ウチに来ればカズにいちゃん喜んだのに……」

西谷「ああ、カズにはよろしく言っといてよ。俺も今回は使いっ走りだからね、あまり時間を割けるかどうか判らないんだ」

相原「いや、使いっ走りって言っても、26と29だから、さすがに歳の差は尊重するし、こっちも(笑)」

琴音「何してんの? ここで」

西谷「鳴風館の取材」

琴音「ここって、そんなに有名なところだったの?」

相原「うん、そりゃまあ、有名(笑)」

西谷「昔、自殺した某有名天才建築家が造ったと言われている……(一同笑)」

琴音「信じやすいから信じるかもしれない(笑)」

美崎「凄い恐いですねー」

「十角形の館とか……(笑)」

西谷「とりあえず、色んな地方にある変わった屋敷なんかを集めて、グラビアに載っけてる作業が、ここんとこ続いててさ。今回、東北の中にめぼしいところがあったんだけれど、とっかかりが、この鳴風館かな。この相原さんと一緒に、写真撮りーの、当主にインタビューしーの、って感じなんだけど、肝心の写真も、この雪じゃあねぇ」

琴音「私たちなんて、スキー場からどう間違ったのか、こんなところにまで(笑)」

美崎「来ちゃいましたねぇ」

相原「四キロだから、下りる道を相当間違えたという」

琴音「そう、友達の美崎貴子ちゃんと淀川狐南くん」

美崎「よろしくお願いしまーす」

淀川「山形さんと会ったことあるんじゃないですか、どっかで? 一応、大学生探偵なんで(笑)」

山形「ああ。――何でお前がここにいるんだ?」

淀川「いや、僕は導かれるままに――(一同笑)」

相原「事件が私を呼んでいる、じゃないの?(笑)」

淀川「そう、ここでたぶん事件が起こるはずだ」

山形「お前がいると混乱する!」

淀川「いや、山形さんが混乱させるんですよ」


(しばし和気あいあい(?)の一行でした)


「と、打ち解けて話をしていますとね、若い男女が入ってきました。紹介されます。逆木原典子さんと直人さんです。どちらもAPPが高そうな人で――」

相原「まあ早速、名刺を渡しながら」

琴音「やっぱり『風とともに去りぬ』だ」

「典子さんはショートカットが似合う、割と可愛い系の人ですね。直人くんは好青年! って感じの、理知的な顔をした人。
 ――ふたりが入ってくると、典子さんは庵さんと、直人くんは霜月くんと、話をしてます」

相原「晶さんは?」

「晶さんはまだ来てないですよ。あと、お茶運んできたりしたんで、尾道夫婦も紹介されました」

琴音「お茶だ。紅茶が来た」

「尾道大作&三枝が。まあ、地味ぃ〜な(笑)」

美崎「じゃあ、紅茶を持って、直人くんに擦り寄りますね」

「(笑)直人くんは擦り寄られた」

美崎「何してる人なんですか〜? とか言って」

「『ああ、学生です。大学院で』」

美崎「へえ、凄〜い。私も大学生なんですよー」

琴音「また貴ちゃん(笑)」

「鳴兎子の大学なんで、たぶん同じだね」

美崎「ああ、じゃあ一緒ですね。凄い凄ぉーい。――単純に喜んでます」

「別に彼が誇らしげに言ったわけじゃないけど、何となく訊き出して、医学部ということが判った」

美崎「うわあ! 凄い凄い! じゃあ将来お医者さんですねー! こんなお金持ちでお医者さんだー」

相原「大学院生は、基本的に医者になんないで、そのまま研究してるから――」

美崎「たぶん解んないです、彼女は(笑)。ぽーっと見てますね」

「なんか、ちょっと引いてるね(笑)」

琴音「私はとりあえず、西谷さんとお喋りしてよう」

淀川「放っとくんですか?」

琴音「だって、喋りに行っちゃったの邪魔したら悪いじゃん。あとで何を言われるか判らない」

「ちなみにこのサロンですが、大きな絵が二枚、飾ってありますね。片方は肖像画・人物画ですね。いかにも周りを威嚇しているような、険しい顔をした老人の絵」

相原「<芸術:絵画>! (コロコロ……)使えねぇ」

「まあ、いいものではあるなあ、と。――で、もう一枚はですねぇ、何か図面を大きく引き伸ばしたような、あんまり芸術的っていう感じはしないですね」

相原「何かの図形ですか?」

「それを見ていたら、六平さんが解説してくれた。『こちら、この鳴風館の平面図になっております』」

<一同>「ほう」


(ここでキーパーは、ハンドアウトの「平面図」を取り出します)


山形「やはり作っていたか!(笑)」

美崎「やったぜ!(笑)」

鳴風館


相原「礼拝堂まであるんだ」

「現在いるのが、二階のサロンですね」

琴音「こんな大っきなところなんだ。私たち余裕で泊めてもらえるんだ。よかった」

美崎「わー凄い凄い。ホントにお金持ちなんだね」

「それでは、この平面図を見ていた人、そうですね、<地図製作>の代わりに<ナビゲート>技能振ってみてください」


(<ナビゲート>は旧版ルールでは<地図製作>という名称でした)


(コロコロ……)

<一同>「失敗」

「さて、終わりましたね、全員(笑)」

琴音「ぽかーん」

「では専門的なことは解らないけど……、次は<アイデア>半分で振ってみてください」

(コロコロ……)

相原「成功です。08でした」

山形「成功」

淀川「ことごとくさっきからロールに失敗してるなぁ(笑)」

琴音「閃かない」

「成功した方はですね、その図面を見ていて、おやっと思った」

淀川「こいつ、探偵なんじゃないのか?(一同笑) おやっと思わない(笑)」

美崎「まあ、雪の中歩かされたあげく、変な女にプレッシャーかけられたから(笑)」

「どうやらこの家の建築の段階で使われていた設計図をそのまま大きく引きのばしたもののように思われますが、どうも、壁の厚みに余裕を取ってありすぎると言うか――」

山形「ああ、なるほど」

「壁の中に隙間を作ってあるような、そういう造り」

相原「館のどこらへんですか?」

「全体的に」

相原「全体的にですか……」

淀川「誰か、そのことをボソボソと言わないの?」

琴音「……誰も言わないらしい(笑)」

淀川「おかしいなぁ、って誰か言わない?(笑) 言おうよ。誰か言ってよ(笑)」

相原「これは、改装する前のもの?」

「そうですね、これは建築されたときのものですね」

相原「じゃあ今は、ちょっと変わっている?」

「いや、基本的な造りは変わっておりません」

相原「内装ですか? 変わったのは」

「(頷く)リフォームみたいな」

相原「ああ、なるほど」

淀川「大学生探偵、左の絵が気になるんですけど」

「左の絵――肖像画ですね。六平が『こちらは、先々代当主の、逆木原榮太郎様でございます』」

相原「その名前に心当たりは?」

「<知識>か<歴史>に成功したら、知っててもいいです」

(コロコロ……)

淀川「やった! 探偵知ってるよ(笑)」

「鳴兎子では歴史的に結構有名な大物さんですね」

淀川「探偵、常識しか知らねえ(笑)」

「『榮太郎様の代に、この鳴風館が建てられたのでございます』」

相原「そうすると、築何年ぐらい?」

「『築二十年になります』」

相原「ちなみに、このへんの土地は全て逆木原家のものですか? どれくらいの広さがあるんでしょうねぇ?」

「どれくらいでしょうねぇ? 決めてないけど(笑)。まあ、このへんの土地一帯」

相原「榮太郎さんが資産を稼いだの?」

「『そうですね、榮太郎様の代です』」

西谷「誰に設計を依頼したかを訊きましょう」

「『設計はですね、海外の有名な建築家の、フレッド・エストヴァンキーという方に――』」


(シナリオとは無関係ですが。以前に別なゲームで僕が使った、狂気の建築家の名前です)


相原「ちなみに、南が街のほうを向いていて、北のほうが山を向いているんですか?」

「そうですね。南が崖になってます」

淀川「展示室って、何があるんですか?」

「色々な美術品・収集品を展示してあります。絵画に彫刻に剥製に――」

淀川「一個ぐらいくすねても判んねえかな(笑)」

相原「あとで写真を撮らせていただいても構いませんか?」

「『ええ、どうぞ』
 ……では、榮太郎さんの肖像画を見ていた方、<目星>振ってください」

(コロコロ……)

相原山形「成功」

「成功すると、この肖像画の人物が、首から何か面白いメダルをぶら下げているのに気づいた」

山形「やば(笑)。星形なの? それとも黄色いの?(笑)」

「丸いメダルでして、やや濁った金色って感じで、星が描かれてますね。五芒星。その星の真ん中に、人の目みたいなものが描かれてます」

相原「はいはいはい(笑)。面白いメダルですね、とボソッと言っちゃう」

「言っちゃった?」

琴音「じゃあ、一応見てみます」

「<クトゥルフ神話>ロール振ってみてください」

琴音「(コロコロ……)あ、判んなかったですねぇ」

「判んないねぇ、何だろう、これは(笑)」

相原「――で、まだ晶さんは来ないの?」

「ですね。――この絵については、もういいでしょうか? それとも何かしますか?」

琴音「(ぼそり)いつ着替えられるんだろうね?」

美崎「(ぼそり)ごはん、ごはん」

「それでは、じゃあ、部屋割りに行きましょうか。六平さんが『それでは、お客様方がお泊まりになるお部屋のほうを決めていただきたいと思います。二階の客室の中から』――と、壁の平面図を指して――『ご自由にお選びいただいて構いません。ちなみに、ひと部屋おふたりまでお泊まりになれます』――ベッドがふたつづつありますから。まあ、部屋数に余裕があるから、ひとりひと部屋でも大丈夫かな」

相原「荷物・機材があるから、ひとりひと部屋のほうが嬉しいが」

「『既に、佐伯様、滝口様、庵様、霜月様は、ご到着が早かったこともありまして、お決めになっておいでです』――佐伯さんは"客室G"、滝口さんは"客室A"、庵さんが"客室I"、霜月さんが"客室K"となっています。『ちなみに、隅の空室のほうは施錠されておりまして、出入りはできないようになっております』」

琴音「貴ちゃん、一緒に寝よう」

美崎「そうしよう、そうしよう。じゃあ――(客室Nを指して)――この一番大っきいとこ、いいですか?(一同笑)」

「『え、ええ、構いませんよ』」

琴音「いいのかなぁ……。私たちさぁ、図々しすぎない、これ?」

美崎「そうかなあ? だって、泊まっていいって言ってくれたし」

淀川「俺はねぇ、たぶん、LとかMにいると、使いっ走りにさせられるから――(笑)」

琴音「あんたはその隣よ、って言われるよ(笑)」

美崎「じゃあ、そうします(笑)。いや、正面ですね。M」

淀川「解りました」

山形「決められてしまう男(笑)」

相原「私はBでいいですか?」

「はい、どうぞ」

西谷「西谷、Cに行きます」

山形「E」


(いったん整理しましょう。
NPCは、佐伯:G、滝口:A、庵:I、霜月:K。
PCは、琴音&美崎:N、淀川:M、相原:B、西谷:C、山形:E、となりました)


――各々の名前が入った平面図はこちらです。別ウインドウで表示されますので、随時参照していただくのに便利かもしれません。不便かもしれません。


相原「部屋割りを決めたら、早速荷物を持っていきます」

「どうぞ。あと、鍵も渡してくれます」

相原「あ、そうですか。で、部屋に入って、トントンと壁を叩いてみますが」

「そうですね、特には」

相原「<聞き耳>やっても変わらない?」

「やってみます? じゃあ、壁に耳当てるなりコップ当てるなりして<聞き耳>してみてください」

相原「(コロコロ……)13です。一応成功してます」

「壁の中からですね、何かが――ズルッ、ズルッという――鼠かな?(一同笑) 一瞬聞こえたような気がした」

山形「あ、そうだ、私も気がついてたんですよね。部屋の中を調べてみる。おかしいと思ってるから」

「部屋の中を?」

山形「中とか、壁とか。何か隠していないか」

「それは<目星>ですね」

山形「(コロコロ……)成功」

「特に見つかんないですね」

相原「礼拝堂が怪しい」

美崎「――いいですか? 六平さんに、すいません、着替えいいですか?」

「『あっ、すっかり忘れておりました』(笑)」

淀川「重要事項を(笑)」

「それじゃあ、持ってきた。『どうぞ、こちらをお使いください』」

美崎「客室に入って着替えますね」

琴音「普通の服ですか?」

「普通の服です」

淀川「よかったよかった」

相原「こちらも正装というか、きちんと身だしなみを整えてから」

「それじゃあ、皆さんが荷物を落ち着けたところで、『お食事の用意が整っております。一階、正餐室までお越しください』」

美崎「セイサンシツ? ああ、正餐室」

琴音「チェックアウトの精算じゃない(笑)」

「凄惨な事件でもない(笑)」

美崎「じゃあ、どんな料理かなぁ、とか言いながら」

琴音「部屋にトイレとかついてないの?」

「NO!」

美崎「トイレはわざわざ一階まで下りないといけないということですか?」

琴音「しかも一個しかないよ」

美崎「あらららら」


(いいじゃんか、別にー)


「さて、飯ですね」

美崎「あ、今思い出した。洗面所を借りてメイクします(笑)」

琴音「さっきもうズタボロの顔見られてるじゃん(笑)」

美崎「<職工:メイク>で55%。とりゃ! (コロコロ……)あ、成功です」

「それじゃあ、きれ〜いになった(笑)」

美崎「やった!」

淀川「APPどのくらい上がるのかな」

「――2倍(嘘)」


(場面は変わって一階へ)


「正餐室に入って皆さん席に着くと、既に料理は並んでいまして、ドアが開いて遅れて逆木原晶氏のご登場となります」

相原「どんな感じの人なんですか?」

「そうですね、体格としては中肉中背、顔は割とのっぺりとしていて、そんなにカッコイイわけじゃないですね。眼鏡かけてまして、髪型も普通ですね」

淀川「榮太郎さんに似てるんですか?」

「言われてみれば目つきが似てるかな」

美崎「典子と直人と、兄妹だという感じは、普通にしますよね?」

「言われてみれば。――ええと、ステッキを持ってて、多少、脚を引きずる感じですね」

琴音「奥さんが何で出てこないの?」

「ん? 晶氏は独身なのですよ」

琴音「(人物一覧を見ながら)父はいるけど母がない。祖父はいるけど祖母がない……」

「重要じゃないんで、書いてない(笑)。手掛かりはなるべく少ないほうがいいので」

山形「シンプル・イズ・ベスト」

「禄郎さんも榮太郎さんも、奥さんは既に亡くなっていると思ってください」

琴音「よかったね、私たち、ちゃんとご飯まで」

美崎「よかったねー。いい人だよねー」

淀川「このふたりは迷子になったことを完璧に忘れている(笑)」

「まあ、晶氏は俳優で言うなら佐野史郎さんに似ているかな? ――『これはこれは、ようこそ皆さんいらっしゃいました。ちょっとしたアクシデントに見舞われて、たまたまいらっしゃった方もおいでのようですが――』」

琴音「(笑)」

「『どうぞくつろいでください。突然の来客も大歓迎です』――と、足を引きずりながら上座へ座った」

美崎「いい人だね。ほんとに」

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