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Act.7 大屋敷にて
ただ、その前にこの村の秘密を話さなければなりません。
― 麻耶雄嵩 『鴉』
K「『長ーっ、連れてきましたーっ』と、その子が玄関で言うと、屋敷の奥から――和服姿の若い男の人が」
山田「ん? 若い人――」
K「逞しい、ごつい人だね」
日向「あのチビッ子たちの監視人(監視してたわけじゃないんだけどね)とは違う人?」
K「違う。やはり二十歳そこそこに見える若者。
彼が無言でこくりと頷くと、ガキは――」山田「あれ、"ガキ"になってるぞ!?(笑)」
K「『じゃ、僕はこのへんで』と子供は去っていった。そしてその男が野太い声で『どうぞ、長がお待ちです』」
山田「ああ、(この男が)長ではないんだ」
日向「これはご丁寧に」
K「じゃあ、靴を脱いで上がってください」
山田「え? あ、外人さんはまず履いていくんじゃあ……(笑)」
北村「Oh〜、クツ、ヌグンデスカ?」
山田「(笑)いきなり(笑)しかも日本語ペラペラ(笑)」
K「Oh、ジャパニーズ、クレイジー」
北村「Oh、ゲイシャノクニ」
K「――さて、脱いでね」
北村「駄目かぁ(笑)」
K「大広間――大きな座敷に通されるね。予想するに、さっき裏から入ったときに、でかい襖を見つけたけど、その向こう側がここだったんじゃないかと」
日向「なるほどねぇ」
K「座布団を敷かれて、『お待ちください』と待たされる。男は座敷を出ていく」
日向「ぼーっと待つしかないよね」
北村「周りをちょっと見回してみる」
K「特に変わったものはないですね」
山田「天井の上とかに変な仕掛けは――?(笑)」
K「ないない。えーと、やがて襖が開き、また違う若い男の人が入ってきた。やはり歳の頃は同じくらいだね。(1オクターブ上げて)『粗茶ですが』(笑)」
山田「ちょっと、カマ入ってるんだね」
K「まさか(逆手で口元を隠す)」
北村「これはまた、ご丁寧に」
K「『どうぞ』」
日向「――毒は、入れたような人ではないの?(一同笑)」
K「知るか!(笑)――まあ、優しそ〜うな人ですけど。ひょろひょろっとした、弱そうな。『どーぞ、どーぞ、どぅぞ(微笑)。――もうしばらくお待ちくださいませ。長はお年を召した方ですので、ちょっと時間がかかってしまいますけれども。すみません』」
北村「さっきの人も今の人も、血色はいいの?」
K「うーんと、さっきの大きな人は良かったね。今度の人は、もやしっ子みたいな」
北村「もやしっ子」
(このNPCの愛称決定)
山田「ふぅん。でも全員、歳の頃は二十くらい」
K「うん。もしかしたら、もうちょっと若いかもしれない」
山田「かも」
K「まあ、結婚はしてないんじゃないか、っていう感じで」
日向「――茶は飲まない。……あまりに飲まないのも不自然なんだねぇ」
山田「ちょっと、香りを楽しむ」
K「いい緑茶だねぇ」
山田「飲んでみます(笑)」
K「飲んだ」
山田「(苦しむふり)(笑)」
K「他のふたりは飲まないの?」
日向「飲まないよ」
北村「飲むふりをして、こう、服の中のタオルに(一同笑)」
山田「そこまでして(笑)」
K「熱熱熱熱熱……!(笑)」
山田「ビニールで包んでおかないと」
(やがて、もやしっ子も座敷を去ります)
K「――さて、山田さん、CON幾つ?」
山田「6」
K「6かぁ。可哀想に(笑)」
山田「死ぬのかい〜」
K「(この薬のPOT(毒性値)は18だから……)18から6引いて12。12の5倍を50%から引いて――あちゃあ。01以下振ってみて」
山田「なんだそりゃ」
北村「昏倒したら、俺たち逃げるから」
山田「(コロコロ……)無理です」
K「なんか、眠くなってきちゃったなぁ〜」
山田「あ〜、眠いよ〜」
K「なんでだろ。なぜかは不明」
山田「判んないけど眠い」
K「猛烈に眠くなってきた」
山田「(ふたりに)眠いんスけど、寝ていいですか?」
K「と、言う間もなく、コトン。ぐぅ。幸せそうに寝る」
山田「肩借りて寝ます。はぁ〜♪」
北村「山ちゃん、寝ちゃったんだ。――じゃあ、ちょっと肩を揺さぶって、山ちゃん、山ちゃん!」
山田「睡眠中♪ 起きる気力全然なし」
北村「ちょっとレバー(肝臓)を、ドン! ドン!(笑)」
K「起きてなるものか。――さて、おふたりはどうする?」
日向「お茶は飲まない(笑)。――やっぱりそれは睡眠薬じゃないのぉ? と、会議をしよう(笑)。馬鹿だなぁ、馬鹿だなぁ、あいつは馬鹿だなぁ(笑)」
北村「山ちゃんは横で(笑)」
山田「にこにこにこ〜♪」
北村「やっぱ、別な薬も入っていたんじゃないか?(笑)」
K「極彩色の夢を見ている(一同笑)。おお、神よ、とか呟いて」
日向「さてどうしようか――。走って逃げるために、正座を解除しよう。胡座(あぐら)モード」
北村「まあ、胡座だね」
日向「これで何時間経ったとしても、痺れて走れなくなることはないね(笑)」
(そのまま数分が過ぎ……)
K「やがて……廊下を足音が近づいてきて、襖がすすーっと開いた。
さっきのもやしっ子が顔を出し、『おや、私の煎れた粗茶はお気に召しませんでしたか』」山田「(笑)」
日向「儂ぁ玄米茶しか飲まないのだ(笑)」
北村「私はティーしか(笑)」
K「『しかたがないですね。手荒な真似はできるだけ避けたかったのですが。――(後方に向かって)お願いします』」
山田「"先生"が来る、"先生"が(笑)」
K「どぅ〜れ? と(笑)。
えーと、さっきのごつい兄ちゃん以下、十数名」北村「えーっ!?(笑)」
山田「えーっ!?(喜)、お兄さんたちと戯れ――混ざりたかったなぁ(嬉しそう)」
K「更にみんなの後ろの襖もサッと開いて、やはり歳の頃若い男性が半分くらい。残りの半分は正体不明。真っ黒い服を着て、顔もフードですっぽり覆っている。判らない」
日向「黒子」
K「うん、まあ黒子。ちょっと衣裳は違うけどね。そいつらが、わーっと入ってきた。ハリセン持って(一同笑)」
北村「めっちゃ突っ込まれるんだ(笑)」
K「というわけで、おふたりを取り押さえますね。捕まえます」
日向「もはやこれまでだ」
山田「舌を噛み切って――(笑)」
K「全員で<グラップル>してきます(笑)」
山田「指一本から」
日向「話せば解る、と<説得>を」
K「じゃあ、殴られる」
山田「余計なことをして(笑)」
K「ダメージ1点。容赦なくボコッと殴られる」
日向「ま、逃げればよかったねぇ」
北村「何か、ちっちゃなフィギュアを取り出して、掲げてみる(笑)。(意味不明)」
山田「奥の手だ(笑)」
K「取りあげられて捨てられる(笑)」
北村「あ、うわあーっ!」
K「そして鼻っ柱にエルボーをくらう。ダメージ1点。鼻血がぴゅーっと。
というわけで取り押さえられて引っ立てられる」日向「うわあ」
K「で、もみくちゃにされて、どこかに運ばれてしまいました」
山田「(自分を指して)あれ? で、最後、残るの?」
K「三人とも」
山田「この姿勢のまま引っ張られるんだ」
K「廊下をスタスタと彼らは無言で歩き、ドアのひとつを開けると、地下へ下りる階段が。階段を下りていくと、やがて床は剥き出しの地面に変わっていきました。薄明かりでぼんやりと見える程度ですね。ぐるぐると引っ張られて、ガチャガチャ(鍵を回す音)、カチリ(錠が開いた音)、キィィー(戸が開いた音)、ドサッドサッドサッ(三人が放り込まれる音)、バタン!(戸が閉まる音)、カチャカチャ(鍵が回る音)、スタスタスタスタ……(全員が立ち去る音)」
(三人が連れてこられたその場所は一体……? ストーリーはいよいよ急転直下、怒濤のクライマックスへとなだれ込む。待て次号!)
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