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Act.2 神隠しの宴



どこかに遠出をなされたのではないですか?
調子に乗って散歩したのはいいが、少し離れ過ぎたということもありえますよ。

― 麻耶雄嵩 『小人閑居為不善』



「というわけで夜になり、ささやかな宴となりました」


(三人の探索者と、巽、香奈の五人で酒を飲みます。ここで巽の父親も紹介されました)


山田「できあがっちゃおうかな〜。一気飲み」

日向「葬式で配るちっこい日本酒を、それぞれに配る」

山田「持ち運んでるんだ(笑)」

「『こ、これはご丁寧に……』」

北村「縒木君と世間話でもしてようかな」

「はい、それじゃあ、しばらく経ち、いつのまにか話題は――」

日向「あの世について(一同笑)」

山田「御説法が始まるんだ」

「あの世について蕩々と…………あんたは僧侶か」

日向「ある程度、そういう信念がないと(葬儀屋は)やっていけない」

「それじゃ、そういうこともあって、話題は暗い方面へと行きます。この村のダークな話へ」

山田「あら」

「死の話題が盛り上がったところで、巽君が『そういえば、あの人たちは今、生きているのだろうか死んでいるのだろうか』と、ぼそりと呟いた」

山田「はい?」

「『と言いますのも、この村では最近こそありませんけど、ひとむかし前、僕が子供の頃までは、"神隠し"という言葉が日常的に使われていたんですよ』」

山田「神隠し……」

北村「使われていたってことは、いなくなっていたってこと?」

「『ええ、そうなんですけどね。まあ、今ではそんなことないですけどね』」

北村「"あの人たち"って言ってたけど、誰か知り合いがいなくなったりとかしたの?」

「『僕が子供の頃、近所のガキ大将がいなくなって、大騒ぎしたことがありますよ。この村は深い森に囲まれているから、そこに迷い込んだら出て来られなくなる可能性もなくはないんですけど……結局見つからなくて』」

北村「で、結局、何人くらいいなくなったりしてるの?」

「『聞いた話ですが、子供だけでなく、結構いい大人まで消えているみたいです。正確な数はちょっと解りませんが。僕が知っているのは、そのガキ大将だけです』」

日向「この村って、何人くらいいるの?」

「うーん、そうだねぇ……三百人くらいってとこかな。人口密度が凄く薄いです」


(煮え切らないまま、神隠しの話題は終了しました)


「というわけで酒が進みます。香奈ちゃんは黙々と酒を飲んでいます。酒飲み自動人形のよう。注がれたら飲み、注がれたら飲み」

日向「入れてはいけない薬を入れてしまう(一同笑)」

「そのうち、彼女の目がトロ〜ンとしてきました。『ぅみぃ〜』。とても可愛いです。そうだねぇ、全員<幸運>ロール(笑)」

山田「よしっ!(チャンス!)」

北村「どうせ無理だけどねぇ」

(コロコロ……)

山田「あ、駄目だよ」

北村「成功した」

日向「あ、成功」

「どっちの出目が低い?」

(北村:70 日向:19)

「それでは偶然彼女の隣に座っていた日向君のところに、思わず寄り掛かってきちゃいました。誘っているとかいうのではなく、あまりに酔っぱらってカクンときてしまったという感じです。でもまだ意識はある」

山田「だぁぁ(嘔吐のマネ)」

日向「凄い勢いで酒をあおってみる(笑)。自分もね(笑)」

「それじゃ悪酔いするかもしれないので、<CON×5>ロール」

日向「(コロコロ……)失敗」

山田「弱いなぁ」

「悪酔いしました。(コロコロ……)MPにダメージ2点」

日向「うわあ」

「更に酔いが覚めるまで、成功判定が下がる可能性があります」

日向「もう駄目だぁ」

山田「そりゃ駄目だよ」

「ふたりで仲よく、コトンと倒れてください」

山田「寝ちゃったよ」

北村「何やってんですか!?」


(ふたりの昏倒(?)によって、宴はお開きになりました。布団を敷いて就寝します。縒木兄妹は、旅館と続きになっている自宅の自室へ向かいます)


「巽君は香奈を抱えて退出します。傍目(はため)にも凄く仲のよさそうな兄妹ですね。もし兄妹という関係じゃなかったら、お似合いかもしれない。
 と、そんなふたりの姿を見て<アイデア>ロール」

(コロコロ……)

山田北村「成功」

「巽くんは割と平凡な顔で、のっぺりとしているんだけど、香奈ちゃんは目鼻立ちがくっきりとした、目立つような美人ですね。――ひとことで言えば、似ていない」

山田「……どっちが親に似てなさそう?」

「更に<アイデア>」

山田「(コロコロ……)04!(大成功)」

「香奈ちゃんのほうが、よっぽど親に似ていますね」

山田「……のっぺり野郎のほうが違う……。誰なんすか、あの人!?」

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