Opening Act. 1 Act. 2 Act. 3 Act. 4 Act. 5 Act. 6 Act. 7 Act. 8 Act. 9 Act. 10 Ending
Act.10 血祭と復讐
さよう、今回の事件は、ありふれた殺人事件などではあり得ない。
繁栄の頂点にあるひとつの奢れる文明が、遠い過去に絶頂を極めたもうひとつの文明に、
復讐を成された事件なのです。― 島田荘司 『水晶のピラミッド』
(場面転換)
森谷「どうしよう。崖は登れない。抜け穴は嘘っぽい」
琴音「解った。菜っちゃんがそう言うのなら、菜っちゃんについて行ってみる!」
南田「相方。俺はあの女信用できないから、この荷車を使って、滝下りでも楽しんでくるよ。じゃ」
森谷「うーん、じゃあ、俺も」
山形「助けてー(笑)。目の前を流されてった(笑)。誰か助けてー」
南田「私は荷車に乗って、川にどーんと。渓流下りだ」
K「ひとりだけ乗るんですか?」
南田「いや、相方を、何も語らず目で見る。どうするんだ、お前は?」
森谷「じゃあ――やばいと思ったら使うといいぜ、と言って、銃をそのへんにぽんと置いて」
南田「撃たれちゃうぞ、お前(笑)。あのナオンに」
森谷「逃げるからねー。撃たないでねー、て言って」
南田「女に弾入れないで渡すっていうのも。それで持ったら、撃とうとするかどうか。やってみましょう」
森谷「そういうことを、隠れてできますでしょうか?(笑)」
K「無理でしょうね、ちょっと(笑)」
南田「これまでの流れから考えると。――荷台に乗ったあと、その中でマガジンだけ抜いて。そして俺が、女の子だけ残すのは可哀想だから猟銃ぐらい渡してやれ、と言って投げる」
森谷「という展開で、どうでしょう? 弾抜いて渡して、ごめんよ、と」
K「それならできます」
琴音「じゃあ、受け取った」
南田「あんたらはダチかもしんねーけど、俺たちはその女信用できねえ」
森谷「(琴音が受け取ったら)意味がない(笑)」
琴音「いや、だって、判んないもんね」
(場面転換・南田&森谷が川に出ます)
山形「――川のどこから入るの?」
森谷「荷車を持ってきてだから、橋の少し下流あたりか」
K「そうなりますね」
山形「じゃあ、私が流されてる姿が見れる」
南田「とっつぁーん(笑)」
森谷「うぉーっ、人が流されてるーっ!」
南田「がしっ、つかまれ、とっつぁーん!」
森谷「とりあえず、助けに走りますね。何はともあれ」
K「山形を、地上からつかまえるの?」
南田「いや、私は飛び込んで。荷車ごと飛び込みますから」
森谷「ええっ!? 危ないっすよ、それ」
南田「いや、浮くものがないと。何かつかまるものが」
森谷「ああ、じゃあ、そうしましょう」
K「はい、荷車に乗って」
森谷「追っかける(笑)」
都筑「凄いな」
山形「つかまえられる?」
K「つかまえるんだったら、DEXかな。うーん、どう判定しよう……(いい案が出ない)えーい、<DEX×5>でいいや!(笑)」
山形「私の手をつかんでくれー!」
森谷「(コロコロ……)よし、成功です」
K「はい、つかんだ」
山形「ハァ、ハァ、助かった。……でも、この先、滝なんだけど――」
南田「よく解ってらっしゃる(一同笑)」
森谷「Oh〜!」
南田「お礼はまだ早いぜ(笑)」
山形「でも、でも、私の考えでは、ここしか出口はないのよ。だから、あえて私は滝に挑戦する」
南田「まあ、考えるだけ無駄ってこった。すぐ答えは出るぜぇ!」
森谷「ひえー」
都筑「インディ・ジョーンズしてるな」
K「――滝の中に消えた3人の運命やいかに!」
(場面転換)
K「都筑さんは、小屋の中でフィルム抜いたあと、どうしますか?」
都筑「そのあとは――あまり考えてなかったんですけど」
K「考えておいてください。ゆっくりと」
(場面転換)
K「琴音さんですが、木村くんと身鍔くんと菜摘さんの4人で行きます。菜っちゃんがあっちへ行こう行こうと橋を渡る」
琴音「うん、私まだあっちのほう行ってないから、本当にあるんじゃないかと思い、ついていく」
K「男ふたりもついていく。ついていくと――このへんの地図は、琴音さんあまり把握してないんだよね。じゃあ、判らないか。――橋を渡って川には沿わずに北へ行く」
山形「あ! そこには美しい女性がいるじゃないですか」
琴音「でも、時間差があるから」
南田「やつに時間は関係ない!(笑)」
K「さて、てくてく歩いていって、やがて小屋にたどり着いた」
琴音「あれー? こんなところに小屋が」
K「『さっき捕まったときに、私の大切なものを落として行っちゃったんだ』」
琴音「早く取ってきなよ」
K「ということで、入っていくと――」
森谷「ちょうど考え事をしている彼(都筑)が」
都筑「これからどうしようということを考えつつ、誰も信用してないから、――誰だお前はっ!」
K「菜摘は一瞬びっくりして、『きゃあ!』と小屋の中で叫んだ」
琴音「慌てて中を見る。あれー? 都筑くーん」
都筑「琴音ちゃん? なんでこんなとこに君がいるんだ」
琴音「都筑くんこそ、なんでこんなところに」
都筑「さっきの女といい君といい、もう俺には信じられる人間が誰も残ってないんだ」
琴音「そばに行って、都筑くんどうしたのー?」
都筑「目の焦点が合ってない」
K「都筑さんはどうするのかな? みんながどやどや入ってきたけど」
琴音「琴音ちゃんはちょっと、都筑さんが変なんで、そばに寄ってべたべたしますけど。どうしたの? なんでそんなこと言うの?」
都筑「気を失ったりできませんかね、こういうときって(笑)」
K「気を失う?(笑)」
都筑「プレッシャーのあまり(笑)。――自分のカメラを奪いに来たんだと思って、カメラを渡すまいとするんですけど、フィルムをケースに入れて川に投げちゃったこととか、ベラベラ喋っちゃうんですよ、緊張のあまり」
森谷「それとも、お前らには騙されないぞ、と言って、とりあえずその場に居続けるというのも」
都筑「こいつはどうするだろうなあ」
琴音「疲れてるんだよ、ちょっと休んだらよくなるよー」
都筑「お前、そんなこと言って俺を懐柔しようとしても、俺は正気だからな!」
琴音「懐柔って何よー」
都筑「とりあえず、表向きは言うことを聞く。琴音ちゃんの」
琴音「早く取ってきなよー、菜っちゃん」
K「『あ、うんうん』すっかり忘れてた(笑)。階段から地下にタッタッタッと行きます」
琴音「地下?」
K「うん、地下に捕らわれていたから」
琴音「ああ、そうか。へえー」
都筑「ちょっと行きすぎた変化を見せる。琴音ちゃん、さっきはごめんね、とか、いきなり謝りだして。俺もつい動転して、あんなことを口走っていたけど、本当は君たちしか頼れる人がいないんだよ」
琴音「うん、そうだと思ってたよ。ちょっとびっくりしたんだよね?」
都筑「腹の中では、俺は騙されないぞ……」
山形「逆に騙してやるんだー!(笑)」
都筑「この魔の森を抜け出して下界に行くまでは、騙されないぞ」
琴音「菜っちゃん、帰ってきませんか?」
K「――気づいたら、そこに誰か立ってましたね。下へ続く階段のところに。上半身だけ穴から見せる形で」
琴音「早く上がってきなよ」
K「菜っちゃんじゃない人が立っている」
琴音「ええっ!? 誰?」
森谷「東洋人のすげー可愛い女の子?」
K「うん」
琴音「あれ? どうしたの? 誰?」
K「というわけで、えーと、女性だから見とれはしないな。男性キャラは――」
都筑「僕以外に誰かいましたっけ」
琴音「身鍔くんと木村くん」
南田「パラノイアだから大丈夫なんじゃないですか?」
K「いや、パラノイアでもやっぱり、<POW×5>振ってください」
都筑「(コロコロ……)あ、大失敗ですね」
山形「あ、貴女なら信じる!(笑)」
森谷「女神だー!」
K「世界のすべてが信じられなくなっていたときに、光が射した(一同爆笑)」
森谷「この子に逢うために俺はここに来たんだー!」
都筑「死ぬかもしんない」
K「琴音さん<アイデア>ロール振ってください」
琴音「(コロコロ……)失敗」
K「判らない。謎の美少女。なんだか、つぶらな瞳がどこかで見たような気がするなあ」
琴音「あの写真で見たことあるような」
K「あ、そうだね」
琴音「周りを見ると、みんなポーッとしてるんですか?」
都筑「とりわけ僕がポーッとしている」
K「あと、木村くんもポーッとしてます。身鍔くんは――さっきの騒動のせいで眼鏡を落としてた(一同笑)」
琴音「見えない(笑)」
K「そうなってます」
琴音「なんか、さっきと様子が違う。ど、どうしたの、みんな?」
都筑「のれんに腕押し」
琴音「ああああ(笑)」
K「――しずしずと」
琴音「来た?」
K「歩み寄ってきた」
琴音「あなた、どっから来たのよ! と大きな声で言う」
K「すると、彼女の立っている後ろから、階段を上がってきた菜摘さんが顔を見せます。そして、『ごめんね、琴音ちゃん』」
琴音「ごめんねって、何が!? この人は誰なのよ? ――貴女は誰?」
K「『この人はね、私たちのお姫様なの』」
琴音「はあ?」
K「『大事な大事なお姫様なの』」
琴音「菜っちゃん、大丈夫?」
K「『うん。あなたちよりは大丈夫なつもりよ』」
琴音「えっ?」
山形「あ、最初っから――」
K「『ごめんね。私たち、こういう運命(さだめ)なの』と言う。すると、その大事なお姫様が、顔の前から黒い扇をどけました。途端に、最初からそこにいた巨体の正体が判った。なぜこの小屋に収まっていたのかが不思議なほど巨大なものが、突然出現したわけではないのだけれど、突然現れたように見えるわけだ。小屋の外壁がメキメキメキと――」
南田「いやはや、酷いものに遭ったって感じだな」
K「というわけで、全体像を初めて見た琴音さん、<正気度>ロール」
琴音「(コロコロ……)失敗」
K「1D20」
琴音「(コロコロ……)11」
山形「おめでとうございます。<アイデア>ロールでございます」
琴音「61あったのが一時間以内に49になったから…………駄目ですね」
K「不定の狂気でございます」
山形「ついに、このキャラともおさらばか(笑)」
K「<アイデア>どうぞ」
琴音「(コロコロ……)01(一同笑)」
山形「悟っちゃった(笑)」
K「何もかも解りました。狂気の症状は、1D10振ってください」
琴音「(コロコロ……)1」
K「痴呆症(ステューペファクション)」
琴音「琴ちゃんがボケちゃう(笑)」
K「なんの意志も興味も持たず、ただボーっと立ちつくしている」
森谷「まあ、一番幸せと言えば幸せか(笑)」
K「何かブツブツつぶやいていてもいいです」
琴音「……」
K「というわけで、この場にいた人では……身鍔くんだけ『ひぃーっ!』と言って逃げた(一同笑)」
南田「逃げられたのか、お前!(笑)」
森谷「圧倒的な宇宙的恐怖を放射されて、きゃーっと逃げちゃったんですね」
都筑「目は見えないけど、恐怖だけ判ったんですね」
K「うん、彼だけ『ひゃーっ!』と逃げた。では、残った人――」
山形「食べられちゃう(笑)」
K「魅了されてるふたりの身体に、触手がにゅるにゅると伸びてきました。自動的命中ですね」
山形「あーん、かりっ」
K「いやいや、詳しく描写するならば、巻きつかれたふたりは、それぞれ別の口に持って行かれた。口が大きく開けられ、頭をめろんっと咥えた。甘噛みしてる(笑)。口の中にも細かな触手が無数に生えているんですが、これらの触手が、顔の穴という穴から入りこんできて、脳味噌をどんどん舐め取っていきます」
<一同>「うわーっ」
森谷「恐えー」
K「というわけで、ダメージを与えていきましょう。――都筑さん」
都筑「はい」
K「(コロコロ……)INTが1減った」
山形「だんだん少しずつ減ってくよ(笑)」
森谷「超美少女と、めくるめく日々を送っている妄想を見ている(笑)」
都筑「それ最高だな。INTなんか全部いらないな」
森谷「あんなことや、こんなことや」
都筑「そんなことまで」
K「宇宙的性的興奮を(一同笑)」
森谷「コズミック・セクシャルですよ!(笑)」
山形「それは幸せだ!(笑)」
都筑「本懐かもしれないな」
K「琴音は痴呆症だから、もう何もできないですね」
琴音「何もできませんね」
K「ボーっと突っ立ってる鷹見琴音に――」
南田「触手が来る」
K「触手が持っている鎌が振り下ろされる」
琴音「わー。さようなら琴ちゃん」
森谷「鷹見琴音もおしまいかぁ……」
K「そうだね、助けてくれるようなキャラもいないね(惜しいけど)」
南田「さらばー。ニャルラトテップに殺されたと自慢できるぞ」
K「僕は非情なので――(コロコロ……命中。ダメージはコロコロ……)ひい、ふう、みい――ダメージ9点」
琴音「2残ってるけど意識不明」
K「意識不明になって倒れた。あ、これはどうだろう。やっぱ死ぬか」
琴音「鎌だからねえ、殴られたのと違うからねえ」
都筑「身鍔くんが、あとで罪の意識にさいなまれながら、俺たちのこと手記に書いてくれることだろう」
琴音「書かねえだろ(笑)。忘れちゃうんじゃないの?」
K「(コロコロ……)都筑さん、INTが3点減った」
南田「どんどん幸せな顔になってって」
K「じゅるじゅると脳味噌を啜られながら」
山形「啜られてる時点で生きてるっていうのが凄いよね」
南田「絶対近寄っちゃいけない土地だな、ここは」
K「では最期に、菜摘さんのつぶやきが聞こえるかもしれない。『鳴兎子の人たちは、絶対許さないんだから……』と」
都筑「ああー」
K「INTがやがて0まで減少していきます」
琴音「あらら」
K「木村くんも同じく」
(場面転換)
K「――さて、荷車三人組(一同笑)」
山形「生きてたんか!(笑)」
森谷「あのままくっついてったら、鷹見琴音を助けられたかもしれんのか」
K「滝のところへ、うわーっ! と(一同笑)」
森谷「駄目だこいつら(笑)」
K「ぼっしゃーん! となりましたが、そうですね、じゃあ代表者、一番不運な人が<幸運>ロールをしてみてください」
森谷「70あります」
南田「60あります」
山形「55です。ていっ!(コロコロ……)14!」
K「おおーっと、転覆しない!」
山形「やったーっ!(笑)」
南田「壊れないぞ、これ。意外に頑丈だあ!」
森谷「おお、凄え!」
山形「悪運強し、山形」
森谷「インディ・ジョーンズになってる」
K「横の板が取れかけたんで、みんなで抑えながら(笑)」
森谷「みんな、手でお椀作って水を掻き出す(笑)」
南田「流れが緩やかになれば、あとは自分たちで泳げる」
K「やがて流れは緩やかになり、洞窟を抜けると――」
南田「抜けた」
K「そこは、魔の森の外、妻守山の平凡な森の中だった」
山形「やったーっ! 出られたーっ!」
南田「なんだったんだー」
森谷「はあ。……出られたんだ……」
南田「どうだい。女よりも相方だろ、信じるべきは」
森谷「うん、僕らの間には、最高の友情が生まれそうだね」
山形「3人で握手(笑)。がしっ」
都筑「そこでプカプカ水面に浮かんでいるフィルムケースを、手にしないほうがいいと思うよ(笑)」
K「いや、手にしてしまった」
山形「なんだこれは?」
K「はい、というわけで、命からがら、人喰いの森から脱出した3人。――のちに、身鍔護くんも意識不明の状態で発見されました。命に別状はないみたいです」
南田「てめえ怪しいな(笑)」
山形「どこから彼は逃げたの? 川から?」
K「うん、川ですね。とりあえず、多くの謎を残したまま――(笑)」
森谷「さっぱり謎を解決してねえって、酷い状況ですね(笑)」
南田「解決のしようがあったんだろうか」
K「実は、生き残っただけでも、かなりの解決というか」
森谷「めっけもーん」
K「要するにですね、人喰いの森の住人たちにとって、この森の情報を得た生存者を出すこと自体がかなりの危険行為なんですよ」
山形「あ、特に警察は」
K「ですから、それだけでも君たちはよくやったのだよ、ということは伝えておきましょう」
山形「化け物の話は置いといて、犯人がここにいて何人か射殺しまして、岩手もやつに射殺されたということにしといて、報告」
南田「警察も、ここのことはすでに知ってるでしょう」
K「知ってるのは、一番のトップくらいなんでしょう」
都筑「深山が連続殺人犯であったことは、神話的事件とはまったく関係なく事実で、それはそれで犯罪として取り締まられる話だったと」
K「今回はそういうことにしておいてください。――次回のシナリオで何かが起こるかもしれないけど」
森谷「深山が関係してるにしろしてないにしろ、上はこの森のことは知ってたっぽいということで」
琴音「うん、行くなって言ってたね」
山形「まあね、報告書には一応、詳しく」
K「では、詳しく報告しているという噂を聞いた一条警部補が、『だからあなたは、いつまでも上に行けないのですよ』と」
山形「やっぱり(笑)」
K「というわけで、多くの謎を残したままではございますが、生存者3+1名を残しまして、妻守山の人喰いの森、終了させていただきたいと思います」
To be continued...?
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