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Act.6 拳銃と犯人



そんな時代は今日できっぱり終わりにしよう。
もうそろそろ誰かを救ってあげてもいい頃だ。

― 島田荘司 『占星術殺人事件』



(場面転換・山形は防空壕から出て、また壁づたいに歩きます。そこでも資料を見つけました)

 部落民の労働者を雇う者は数を減じ、しまいにはひとりもいなくなった。彼らの見せ物小屋に足を向ける者など、それ以前にいなくなってしまっていた。
 そもそも日本人とは、排他的感情に関しては比類なき団結力を発揮する民族である。反部落の気概はいやがおうにも高まり、鳴兎子から追い出そうという動きまで現れ始めた。血気盛んな若者が集団で暴力行為を振るうことも珍しくなくなった。

 そんな折の、鳴兎子大火であった。

(場面転換・琴音は南西へ行き、テントを見つけます)


琴音「最初の、彼ら(南田&森谷)のテントだね」

「そうです。真っ赤な手形があってみたり(笑)」

琴音「うーん、もう見ない見ない」


(場面転換・三人組は線路沿いに分岐点へ戻ろうとします)


「線路が途中で切断されてる箇所へ来ました」

森谷「おおっ? 切断されている……」

「スッパリと」

森谷「南は続いてるけど北はないんだ」

南田「途中で廃坑になったんじゃないですか」

森谷「最後まで使われていたのは南側――ということは――まあいいか。とりあえず、特に周辺に何もないなら、お先へ進みましょう」


(場面転換・山形)


山形「(資料を読みながら)そういうことかぁ……だんだん見えてきた。やばいぞー(笑)」

森谷「何かに気づいてる」


(場面転換・山形は壁づたいに移動しました。琴音は転轍機のところへ南下し、そこでしばらく待機することにしました。続いて三人組)


「トロッコがある」

南田「おお! これに乗っていけば早いぞ。動くかどうか確かめてみよう」

「まあ動きます」

森谷「じゃあ、そのキコキコに乗って」

南田「<機械修理>は得意なんですよ」

森谷「こうすれば、足をちょっと怪我してる都筑さんも大丈夫」

南田「じゃあ、ゆっくり行きますからねー。きーこ、きーこ、きーこ」

森谷「うぃーす、うぃーす、うぃーす、」

南田「ちゃんと合わせろ!(一同笑)」


(場面転換・山形)


「レールに着きました。レールは炭坑の中に。炭坑の中にはメモが落ちているね。最近書かれたもののようだ」

南田「XYZって書いてある」

「なんでしたっけ? “転轍機のところで待ってます”という」

南田「“Mより。なーんちゃって。うそうそ”(一同笑)」

山形「はて、これはここにキャンプをしに来た人たちが書いたのか。それとも、いつ書かれたのだろう――と悩んでいる」

南田「日付を書くの忘れていた。いや、我々の友達以外いること知らないから」

森谷「よもや第三パーティー(刑事たち)がいるなどとは」

山形「犯人に仲間がいるとしたら!(笑) 転轍機のところに行くかな」


(場面転換・三人組)


森谷「パーティー進みます」

「ギッコンバッタン。止まってください」

森谷「えっ?」

南田「ギリリリリ」

「倒木が道を塞いでいます」

南田「役に立たねえトロッコだなあ」

森谷「トロッコ乗り捨てて行きますか。その周辺に何か?」

「特にないですね」

森谷「どっち側から倒れたかって判ります?」

「結構古いものなんで、判りませんね」

南田「よけられますかね?」

「力を合わせればできるかもしれない」

南田「じゃあ、近くにある木の棒を使って、てこの原理を使って、よっこいしょっと」

「やりますか? それじゃ、そういう方法を用いてするのであるなら、<機械修理>でどうぞ」

南田「(コロコロ……)成功です」

「ぐいっと持ちあげて」

南田「ごろん。意外と器用でしょ?」

森谷「お前やるじゃないか、なんだなんだ言ってもなぁ」

「ではあらためてギッコンバッタン進む、と」


(場面転換・山形は結局壁沿いに北上するほうを選びます)


「<幸運>ロールをお願いします」

山形「(コロコロ……)成功です」

「では、足の大きさの穴がいくつも空いていることに気づいた」

山形「んんぅ? 罠か。引っかからないぞ! と思いつつ先へ進む」


(場面転換・琴音が北西へ移動してみました)


「えーっと、モズの早煮えよろしく――」

琴音「ううーっ(笑)」

森谷「見たくねえ!」

「木の杭が立ててあって、その上に――婉曲表現で言うならスイカ大の大きさの物体が――(笑)」

琴音「それ、知った顔ですか?」

「うん、知った顔ですね」

琴音「げえー。誰でした?」

南田「貴女です(笑)」

「秋原くんが」

南田「木村くんだったら笑えるのになあ」

琴音「いるのに(笑)」

「というわけで<正気度>ロール」

琴音「(コロコロ……)成功です」

「それでは、その杭の根元に、彼の持っていたデジカメが落ちていた」

琴音「拾いに行くべし。――ごめんなさい秋原さん、と言いながら」

「拾った」

琴音「何が写っているか見てみる。そりゃあもちろん」

「見てみた。えーっと、何枚かはキャンプの様子が写ってますが」

琴音「カレー食ったりしてるんだ」

「後半ですが、遠くから、例の巨木を撮影しているものが」

琴音「いつのまに」

「そんでもって、巨木の中の祭壇まで写っているんですが、祭壇の位置がおかしいような気がする。さっき見たときと比べて」

琴音「あそう。ちょっとズレてんの?」

「奥まってるね、祭壇の位置が」

琴音「見たときより後ろにあるってこと? あら、どうして。私の記憶と違うわ」

「そして、さっき琴音さんが見たときに祭壇があった場所の地面に、何かが写っているね」

琴音「何かが」

「何か、生白いものが」

琴音「それは――写ってて見えるんですか?」

「そうですね。それは人の手のようです」

琴音「??? 琴音ちゃん的には、全然判らないなあ。落ちてんですか、手が?」

「違いますなあ。祭壇のあった場所の地面に穴が空いてまして、そこから誰かが這い上がってきているかのような」

琴音「ああ、そういう意味か。じゃあ、今祭壇があるところに穴があったんや! そうだ、押してみればよかったのか! くっそー――とかブツブツ言ってるけど、木村くんは?」

「木村くんは――様子を窺うと目を逸らしたけど(笑)」

琴音「このカメラって、秋原さんのだったっけ?」

「『だったと思うけど』」

琴音「だよねえ。木村くん、どうしたらいいと思う? なんか、誰にも会わないしー」

「『そうだね、みんなを探さないといけないね。まだ行ってないところに行ってみよう』」

琴音「行ってみよう」

南田「狂ってやがる、あいつ(笑)」


(キーパーとしては、琴音には転轍機にとどまっていてもらいたいのですが。木村としては、助言を求められたらこう言わざるをえないのです)


(場面転換・三人組)


森谷「我々はそろそろ転轍機へ向かいます」

南田「プレイ時間を短縮するために、我々はここで待機していましょうか」

琴音「でもでも、みんなでウロウロしたほうが――」

南田「あまりにも時間がもったいない気がして」


(場面転換・山形は壁沿いに北上。死体を見つけました)


「顔が切り刻まれた死体ですね。<正気度>ロールどうぞ」

山形「はーい。(コロコロ……)失敗でーす。刑事ですが……」

「1D3減らしてください」

山形「(コロコロ……)1」


(場面転換・琴音は北西へ進み、川に突き当たります。続いて三人組)


森谷「転轍機のところまで来ます。で、トロッコを止めておいて、中に水を置いておいて、出口が崩れてて通れないとか、白い服着たやばいやつがうろついてるとか、これからまだ他の人を捜しに行くので、ここで迷ってる鳴兎門大学の学生やTVクルーの方は、ここで待っててください、くれぐれも白い服のやつには気をつけるように、と書いて、別のところへ移動します」

南田「そのメモを山ほど作って、歩くごとにひとつづつ置いていきます」


(場面転換・山形は壁づたいに移動して、またもや死体と出会います)


「首吊り死体があるよ。古ーい死体です」

山形「これはSANチェックなしでいいの?」

「いいです」


(場面転換・琴音は南へ移動しました)


「荷車が打ち捨てられていますね」

琴音「なんと。――もちろん、見てみます」

「中を覗くと、今まで落ちていた資料とは違いまして、古い新聞記事が落ちていた」

琴音「無造作に置いてあるというか、そんな感じ」

「うん」

鳴兎子にて紅蓮の大火
原因は部落民の放火

 昨日未明、鬼帰里郡鳴兎子に紅蓮の炎が舞ひ上がつた。連日の乾燥と強風に依つて、炎は瞬く間に鳴兎子全体を舐め廻し、家々を呑み込んで行つた。深夜と云ふ事も在つて逃げ遅れた者多数。目醒めぬ儘に死に絶えて行つた者も少なく無かろう。此の大火、原因は放火に依る物と見られてゐる。鳴兎子に隣接する部落の者共、其の犯人と目されて居り、恐らく集団にて組織的に鳴兎子の住民を焼き殺さんとしての犯行と思はれる。卑劣極まり無き、悪鬼羅刹の所業也。何でも此処の部落民達の間では、特異なる邪教崇め奉り淫行及び蛮行に明け暮れる日々を送つてゐるとの事。気違い故の所業か。何れにせよ、決して赦されざる人非人共に相違無き事自明也。

(大正十四年十一月二十二日付)

(場面転換・三人組は北西へ向かいました)


「モズの早煮えがありますな」

森谷「うわあぁ」

南田「知らない人だな」

「<正気度>ロール!」

(コロコロ……南田&森谷は成功)

南田「早煮えの近くに行きます」

森谷「それは見たことある顔ですか?」

「都筑さんは見たことある」

南田「なるほど。早くしないと、他の人たちもみんな殺されてしまう」

「秋原さんの生首を見ましたね。<正気度>ロールどうぞ」

都筑「(コロコロ……)あ! 失敗!」

「それじゃあ、1D4でいいです」

都筑「(コロコロ……)2です」


(場面転換・山形は北上です)


山形「次に犬が内臓食ってるところに到達するのかな」

「いや、まだまだ(なんてことは教えちゃ駄目なのだろうけれど)」

山形「まだまだ?」


(場面転換・琴音は北西へ行き、橋を見つけます。三人組は北へ行って川に出ます)


南田「上流に向かってGO」


(場面転換・山形は北へ)


「みんなここ来たね(笑)。炭坑と小屋があります」

山形「中見ると、紙が置いてあるんだ」

森谷「炭坑の中にメモが」

南田「懇願口調で“頼むから来てくれぇ”」

「どっちか覗きますか?」

山形「覗きます」

「どっちを?」

山形「両方」

「どっちが先ですか?」

山形「小屋」

「小屋ですね。――小屋に近づくと、中からガサゴソと物音が」

山形「おや? ――警戒しつつ、誰何を」

「誰何をする?」

山形「誰だ? 警察だ!」

「どのへんに立ってるのかな」

山形「入口よりちょっと手前」

「しばらくしーんとして、物音が静まった」

山形「…………」

「小屋のドアに穴が空いた」

琴音「はーっ!」

「誰かが発砲してきましたね」

山形「うわっ。もう自分は構えてるよね? 撃つ!」

「撃ちますか」

山形「撃ちます」

「じゃあどうぞ、撃ってください。1ラウンドに何発撃てるんですか?」

山形「3発」

「こっちも3発撃てる」

山形「何ぃー?」

南田「両方とも死ぬような気が(笑)」


(ここはキーパーのミス。32口径ではなく、38口径オートマチックのデータを使うべきでした。ちなみに山形の銃は9ミリオートマチックです。強い強い)


「今のは1ラウンド目の1発目終了ということで、2発目3発目をお互いに撃ちましょう」

南田「扉越しに撃つなんて、間抜けな犯人だな」

「こちらが先ですね(コロコロ……)また穴が空いたけど、もちろん外れです。相手が見えてないんだから、まあ、当たらないでしょうね」

山形「(コロコロ……)失敗」

「(コロコロ……)はい、当然外れ」

山形「(コロコロ……失敗)」

「はい、次」

琴音「凄い、銃撃戦になってる(笑)」

「ドア越しにバンバンバン! と。(コロコロ……)はーずれ」

山形「(コロコロ……)外れ」

「ばーん(コロコロ……)あー、当たり」

山形「嘘!?」

「<幸運>ロールしてみて」

山形「(コロコロ……)01」

「じゃあ、外れた」

山形「(コロコロ……)外れ」

「3発目ー(コロコロ……)外れ」

山形「(コロコロ……)外れ」

南田「ハッピーだな、この人たち(笑)」

「はい、次のラウンドー。(コロコロ……)はい外れ」

山形「(コロコロ……)当たり!」

「こっち<幸運>振ります。(コロコロ……)ふんふん。えー――撃ってきた(笑)(コロコロ……)外れ」

山形「(コロコロ……)外れ」

「こちら、続いて3発目撃てます。(コロコロ……)外れ」

山形「(コロコロ……)外れ」

「さて、向こうはもう撃ってこないみたい」

山形「撃ってこない?」

森谷「山形って、あまり突っ込まなそうですよね」

都筑「機動性がないからね」

山形「もう1発ぐらい。(コロコロ……)外れ。もう1発ぐらい撃っときます(笑)。(コロコロ……)当たり」

「(<幸運>コロコロ……)まあ、別に悲鳴等は聞こえてこないが」

山形「もう一回誰何をしてみる。警察だ! 出てこい!(一同笑)」

「しーんとしてますね」

山形「バックパックからショットガンを取り出して――」

琴音「ショットガンなんて持ってるんですか?」

山形「うん、12ゲージ。後ろの部分を切っておいて(笑)」

「あの事件(『神の子らの密室』)のあと、その銃は――」

琴音「たぶん証拠物件として返したんじゃないですかね」

森谷「山形がショットガン持ってるって、かなり切羽詰まった状況じゃないですか? 杖放して構えるわけだから」

山形「ああ、なるほどね(笑)」

「ショットガンは認められません」


(グロックだけでも過剰装備だというのに……)


山形「じゃあ、警戒しつつ、扉に近づいていきます」

「近づいていった」

山形「杖で扉を押してみる」

「扉は引かないと開かないです」

山形「扉の正面に立たないで、脇にしゃがんで開ける」

「開けた。ぎぎ〜い」

山形「ライトで中を、こう」

「ライトで照らした。まあ、ここからだと何も見えないね。誰もいないように見えるね、ここからの角度だと」

都筑「入るしかない」

山形「手鏡持ってなかったっけ。ああ、持ってない。――(少々逡巡)――まあいいや、中入ってみます」

「入った。入ると――(笑)」

琴音「横にいたんだよ、きっと(笑)」

「YES。ヒュンとナイフで空を斬る音が。<回避>してください」

山形「(コロコロ……)01!」

<一同>「おおー!」

琴音「凄ーい」

「例の、白服の、自称シラミネキリトが」

山形「撃つ!(コロコロ……)うーん――ジャムった(爆笑)」

森谷「ジャムったぁっ!?」

「ガキッとジャミングした。じゃ、次のラウンドいきまっせー」

山形「カチッカチッカチッ」

「またナイフを振る。彼は目の焦点が合ってないですね。(コロコロ……)外れ」

山形「銃を捨てて、腕のジャングルナイフを抜く」

森谷「ええっ!? そんな装備があったんですか?(笑)」

都筑「この人は、足が悪いと思って油断してると駄目なんだ」

「<回避>凄いしね(笑)。――抜いてそのラウンドで斬りつけちゃっていいや」

山形「いいんですか? しかし25%(笑)。(コロコロ……)外れ」

「はい、次のラウンド。(コロコロ……)こっちは外れ」

山形「シラミネ、逮捕する――と言ってみながら斬りつける。(コロコロ……)あ、駄目です」

「次のラウンドですが、銃声がバーンとしましたね」

山形「何ぃっ!?」

琴音「――岩手?」

山形「あ、岩手ちゃんがいたの?」

「その銃声にはじかれるように、深山光一がバタッと倒れた」

山形「おおっ? 当たった」

南田「後輩のほうが強い(笑)」

「小屋の窓越しに、岩手が銃を構えている」

山形「取り押さえる。倒れたんなら。どこに当たったか判る?」

「背中」

森谷「バタンと倒れてきて、後ろに立ってるのが見えたんだ」

山形「一応、後ろ手に手錠をかけちゃおうかな」

「それじゃあねえ、取り押さえようとする前に、もう一発撃つ」

山形「(笑)」

「さらにもっと。バン、バン、バン! と撃ちますね」

森谷「倒れた深山の背中にバンバン撃っている?」

「そう。弾切れになるまで撃つ」

山形「やめんかこらーっ! と言っとくが」

「弾切れになった」

琴音「あーあ、死んじゃった(笑)」

山形「即死? 手を当ててみる」

「まだ辛うじて息はありまして、掠れ声で何かを言う」

山形「聞く」

「『俺は――シラミネキリトの故郷へ帰ってきた。俺がシラミネになる――』と言って事切れた」

山形「岩手は?」

「深山光一の死体を睨んでる。『畜生、舐めやがってコノヤロウ!』とか言ってる」

山形「うわー(笑)。できあがっちゃってるじゃん」

「どうやら左肩を撃たれているみたい」

山形「ああー、なるほど。…………犯人死亡! よし、終わり!(笑)」

「『無事ですか、山形さん』」

山形「ああ、なんとかな。犯人死亡、終わり、じゃあ帰ろう(笑)」

琴音「(ヒソヒソ)漁ったほうが……」

山形「うん、一応、死体を調べるけど」

「調べた。うーん、別段何も持ってないですね。綺麗なくらい何も所持していない(凶器の拳銃とナイフは別として)」

山形「岩手に、こんな資料が落ちてたっていうのを見せる」

「『あ、そういえば自分もひとつ見つけました』と言って、くれる」

らずまことしやかに囁かれるものである。彼女の姿を見た鳴兎子の者が何人かいたというらしいが、その者たちは悉く消息を絶っており、どうやら部落の最奥、その教祖様のいるという聖堂へと連れていかれ、恐ろしい邪教の生贄に具されていると言われていたという。中には、連れていかれるのではなく、くだんの鬼女に拐かされて自ら出向き、そこで喰らわれているのだと語る者もあったとか。当然のことながらこれらの噂に証拠などなく、にも関わらず、当時の鳴兎子に住む人のほとんどが信じて疑わなかったというのだから恐ろ

山形「この資料は新しいものですよね? 紙が。それで、炭坑とかに、どこかに集まるっていうメモがあるから、もしかしたらこいつの仲間なのかもしれないし、ここに迷い込んだキャンプの人間かもしれない。一応、保護もしくは逮捕になる可能性があるので、俺はそっちに向かうと言って、岩手に無線機を渡して、お前は電波の届くところまで行って――もしかしたら出られるところがあるかもしれないから――犯人死亡を伝えろ、と」

「『はい』」

山形「で、岩手に<応急手当>」

「あ、自分でしてます」

山形「俺はちょっと、キャンプか犯人の仲間が集まるとか言ってた転轍機のところに行ってみる、と言って、無線機を渡す」

「渡された」

琴音「撃たれちゃうんだよ、私たち。やっべー(笑)」

山形「あ、<機械修理>でジャミングを直す。(コロコロ……)12、直った」

「『自分はどちらへ行けば?』」

山形「壁際を移動して、どこか出られるところがあるかもしれないから」

「『解りました』と言って、行きますよ」

山形「他に何か知ってることはないか?」

「テントがあって、そこで何人か人が死んでいた旨を」

山形「どのへん?」

「ちょっと判んない」

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