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Act.8 儀式と奈落



諸君、百聞は一見にしかずということわざが東洋にはあるんだ。
諸君の足もとに開いた穴こそ、誰の空想でもなく、諸君の目が見ている現実だ。

― 島田荘司 『アトポス』



(場面転換・琴音たちは北西へ。五人組は小屋から北東へ。そして琴音たちは北西へ)


「北のほうからガサガサと音がして」

琴音「まただよ」

「木村くんが、『あれ? 誰かいるぞ』」

琴音「うん」

「『人の後ろ姿を見たような気がする』と言ってる」

琴音「どっちに向かっていった?」

「『あっち』」

琴音「さっきもこっから何か出てきたんだよねー。ちょっと、足元をよく探してみる。気のせいじゃないの?」

「『気のせいじゃないよ。見たよ』」

琴音「誰だった?」

「『それは判らないけど。じゃあ、俺はひとりで行くよ』」

琴音「ちょっと待ってよ。私もついていく」


(場面転換・五人組は丸木橋へ来ました)


森谷「川を渡るでしょうね」

「はい、渡った」


(場面転換・琴音たち)


琴音「ついていこうかな」

「どんどん行って、転轍機のところまで行ったね」


(場面転換・五人組は北東へ)


「手足のない人形がいっぱいぶら下がっている地点ですね」

森谷「うわー」

山形「この部族の信仰の」

南田「人形がいつ作られたものなのか見てみましょう」

「新しくもなく古くもなくって感じですね」

南田「<オカルト>振っていいですか?」

「いいですよ」

(コロコロ……)

南田「判りました」

「そうですね、オカルト的な視点から考えると、やはり呪術的信仰の現れでしょうね」

南田「つまり連中は、手足の切断が好きだったらしいな、やはり」

「そんなとこですね」

山形「<クトゥルフ神話>05%あるんですけど、振ってみていいですか?」

「振ってみてください」

山形「(コロコロ……)出なかった」


(場面転換・琴音たち)


琴音「待って木村くん、ここになんか紙が」

「『あ、本当だ』」

琴音「でも、誰もいないので――これ、何時ごろの書き置きだろうね」

「トロッコもあるね」

琴音「あ、そうだ。トロッコも」

「『さっきの人影が気になるなあ』」

琴音「それはそうだけど……」

「『行こうよ』と言ってます」

琴音「じゃあ、行こうか。――メモに書き足して。何時何分、こっちの方角に向かいましたと」


(場面転換・五人組は北東へ)


南田「一応、我々の目的は外へ出るということだ」

「ここには人骨がいっぱいありますね」

南田「おおかた、大量殺人の跡でしょう」

森谷「うーん、気持ち悪いなあ」

山形「壁にぶちあたる方向に行きましょうか」


(場面転換・琴音たちは北上し、五人組は北へ)


「何か転がっているなーと思って見ると、食い荒らされた人の死体がある」

森谷「あっらー」

「<正気度>ロールどうぞ」

都筑「ワンちゃんのとこか」

(コロコロ……)

南田山形「失敗」

「失敗したら1D3」


(場面転換・琴音は木村についていって北へ。五人組は壁沿いに南東へ)


「ウロウロうろついている人影がいた」

森谷「おーい、誰ですかー」

「『山形さーん!』と岩手くんが(笑)」

山形「あらあ? お前、見つかんなかったの、出口?」

「『全然ないっすよー』」

南田「誰だ?」

都筑「もうひとりいたという――」

山形「あ、こちらが迷子の方々(笑)」

南田「こういう山奥で分散行動するのは危ないですから、一緒に行きましょう、あなたも」

「『そうしましょう。――あ、そうそう、それと、10分くらい前かなあ、さっき、このあたりを何人かゾロゾロ歩いていきましたよ。……僕は物陰に隠れてましたけど』」

都筑「集団ですか」

山形「あ! 犯人はひとりじゃないんだよ、と岩手に言っとく」

「『そうですか』」

山形「どこに行った?」

南田「複数であるということは、我々の仲間である可能性のほうが高いでしょう」

森谷「あ、そっか。そういう可能性もありますね」

「『よくは判らなかったんですけど、何人かでひとりの人を抱えてというか、押さえつけていたような――』」

南田「それを先に言え! どう考えても敵じゃねえか」

「『あ、先に言ったほうがよかったですか?』」

山形「どっちに行った? 追うぞ!」

「『南のほうでした』」


(場面転換・琴音たちは北東へ。なぎ倒された木々の道を辿ります。六人組は南へ)


南田「(岩手刑事に)だいたい、なんで隠れてるんだ、お前は」

「『多勢に無勢かと思いまして』」

南田「さっきの根性はどこ行っちまった」

山形「そういえば、弾をお前は持っているのか? 全弾撃った?」

「『一応、今リロードしましてー』」

南田「換えの弾まで持ってきてんのか。すげー警官だな」

「『凶悪犯を追ってましたので』」

(やがて一行は、巨木にたどり着きます)

「でっかーい樹がありまして、その下の部分は洞穴のようになっていまして、その中には祭壇があります。
 ――そして、穴の中に人が何人も見えます」

森谷「何人も」

山形「さて、行きましょうか、岩手くん(笑)」

南田「ツートップでどうぞ」

山形「ふたりで構えながら誰何」

琴音「えーっ!? しちゃうんですかー?」

山形「しちゃいます」

南田「もっと近づいてからしたほうがいいんじゃないですか?」

山形「もうちょっと近づいてからにします」

南田「具体的に言うとゼロ距離まで(笑)」

森谷「僕らも恐る恐る」

都筑「鉄砲くれよ、って山形さんに」

南田「持ってる方、貸してください。我々も手伝います」

「こっそり近づくのであれば、皆さん<忍び歩き>を振っていただくことになります」

(コロコロ……)

都筑「成功!」

(あとみんな失敗)

「ひとりだけ成功(笑)」

都筑「わーん、もう」

南田「よーし、鎌を持って近づくぞー」

都筑「他の人が全員反撃に遭っても僕だけ大丈夫」

山形「音が鳴ったので誰何する」

南田「何やってんだお前らー」

「それじゃあ、振り向かれた」

都筑「ここで<隠れる>とか(笑)」

「祭壇のそばに四人、男がいます。それで、全員みすぼらしい服を着ていまして、髪ぼうぼう、髭ぼうぼう、って感じですね。薄暗いこともあり表情はよく窺えませんが。手には皆、例の鎌を持っています」

南田「いかにも友人みたいな顔して、やあ! 新しいの連れてきたぜ! ――ところで、姉ちゃんはいないんですか?」

「いますよ。菜っちゃんはですねえ、」

都筑「両手がありません」

「いや、まだあります(笑)。彼女は祭壇に横たわってますね。意識があるのかどうかは不明ですが、目をつぶってぐったりしている」

南田「お巡りさん、今までの手掛かりからして、やつらは彼女の手足を斬って祭壇に捧げる気ですよ」

山形「まあまあ待て、一応事情聴取してから(笑)」

琴音「さっきは撃ったじゃないかー」

山形「だって、撃ってきたんだもん」

南田「誰何で応えてくれるかどうか、聞いていよう」

「無言のままでいまして――皆さん、周りのほうでザワザワと気配が」

森谷「えっ!?」

山形「囲まれたな」

「木々の影にぽつんぽつんと黒い人影が何人も」

森谷「うわー、やばい。目を凝らしてみたり明かりを向けてみたりしますが、みんな刃物持ってたりとかするんですか?」

「はい」

森谷「きゃー。助けてー」

山形「何人ぐらいいるんですか?」

「いっぱい(笑)」

南田「全然気がつかなかった。――えーと、我々ただの旅行者なんです。関係ないです、なんにも」

「通じてるのかどうか不明ですね。無言のままです」

南田「よし、ここは逃げる手だ」


(場面転換・琴音たち)


琴音「道に沿って近寄っていってみると、もうそろそろ樹の前に到着するかな」

「ええ、そうですね。こういう光景になっています(笑)」

琴音「ちょ、ちょっと、木村くん――」

「『ん? ――これはまずいね』」

琴音「どうしようか……」

「それじゃあねえ、周りを囲んでいるやつらのひとりの、すぐ後ろに出てきたことにしていい」

山形「口塞いでキュッと(笑)」

琴音「そいつの体格は?」

「そんなに大きくはない」

琴音「うーん……」

「木村くんが別な方向に歩いていった」

琴音「そっちにもいるんだ」

「そう。ちなみに近くのやつは猟銃抱えてますね。たぶんハンターから奪ったかしたんでしょう」

琴音「<忍び歩き>でそっちに行って、殴って、銃を取る――というのがベスト(笑)」

「する?」

琴音「するよ、もちろん。(コロコロ……)成功」

「すぐ後ろまで来た」

琴音「ばーん(笑)」

「木の棒で殴るなら、50%以下振ってください」

琴音「(コロコロ……)成功」

「ばーんって殴って、ドサッて倒れた」

山形「やったー。銃を回収」

琴音「闘う琴音ちゃんになっちゃった(一同笑)」

森谷「ついに。第三回目にして」

琴音「静かに猟銃を取って……どうしよう。木村くんにその人を殴ってもらうことにして、私はもうひとつ先の木のほうへ。なんか調子づいてきちゃったよ(笑)」

森谷「琴音ちゃん危ないですよぉ」

琴音「樹の後ろにいるであろう人をまた殴りに行く」

「ちなみに、もう木村くんは仕事をひとつ済ませた」

琴音「あ、素晴らしい素晴らしい。いきなり好意的になったよ、木村くんに(笑)」

山形「取り囲んでいる人をひとりずつ倒していくの(笑)」

琴音「私がやられたりして」

「<忍び歩き>」

琴音「(コロコロ……)失敗。ガサガサガサガサ」

「そいつにだけ気づかれた。クルッて振り向いた」

琴音「殴るべし。走っていって殴るべし」

「なんか叫ばれたっすよ」

琴音「叫ばれちゃった? でも、とりあえず、」

山形「こっちも気づくでしょ?」

「うん、気づく。みんな、なんだ? って見る」

琴音「殴ります。走り殴り」

「どうぞ。今度は25%以下です」

琴音「はい。(コロコロ……)失敗。スカ」

森谷「みんなの視線がそっちに向かっている間に、祭壇に向かって走っていってなんとかしたいんですが、武器を持ってるやつがいるなあ」

「ちょっと無理だと思うな」

南田「四人男がいるからね」

森谷「そいつら全員武器持ってるんですね。そんなやつら相手に闘えないんで、やっぱりぼーっとしてますね(笑)。うーん、なんかしてえなあ」

「それでは、みんなに隙ができた瞬間に、岩手が発砲しましょう」

山形「あ、撃っちゃうんですか? 武器を捨てて――と言おうとしたら」

「ばーん」

山形「段階踏めよ(笑)と思いつつ、俺も撃つ! つられて撃ってしまう」

「はい、ばーんばーんばーんと。これはいちいちロールをしません」

琴音「だけど外れた?」

「外れた」

琴音「鎌で斬られちゃうよー」

「輪の中心でひとりが銃を撃ち始めたので、周りも結構混乱したみたいですね。――これは言ってしまったほうが解りやすいからいいかな――周りには猟銃持ってるやつがひとりいるから、やつらもそれに頼ろうと安心していたみたいなんだけど、猟銃持っていたやつがなぜか反撃できない状況なので(笑)、かなり混乱してるみたいですね」

琴音「日本語っぽいのを喋ってるんですか?」

「えーと、<言語学>なんて持ってないだろうから……ともかく、日本語ではない。独特の響きですね」

(旧版ルールではあったのですが)

森谷「なんか、きつい訛りの方言?」

「そうも聞こえる」

南田「逃げましょうよ、早く」

森谷「逃げるか」

都筑「混乱しているときに祭壇に近寄って、目の前でフラッシュを焚きまくって、彼女を奪って逃げてくる」

山形「弾幕の中を行くんですか? そこにいる四人に向かってふたりで撃ってるんだから」

都筑「じゃあ、駄目だ(笑)」

「銃を撃ち続けていると、さすがに四人は倒れます」

(時間短縮とこの場のノリを重視し、命中判定等は端折りました)

「ひとりが倒れぎわに、祭壇の前で何かをやっているね」

山形「祭壇にGO!」

森谷「走りましょう」

山形「あ、女の子だ。助けろーと声をかける」

南田「走っていきましょ」

「祭壇の手前の部分にスリットのようなものがあるということは、以前、琴音さんには伝えてありますが、そこから柄のようなものが飛び出してますね」

森谷「柄?」

「鎌の柄のようですね。つまり、さっきのひとりが鎌を中に突っ込んだということ」

森谷「なるほど」

「最期の力を振り絞って、倒れ込むと同時に鎌を捻った」

山形「あ! なんか鍵を回したな!」

琴音「それで峰がギザギザになってたんだ」

「するとガキンと音がして、何かが外れた」

南田「どうなるんだろう」

森谷「そのまま、止まらないで走っていきます」

「そいつは息絶えましたが、周りがザワザワと混乱してますね」

山形「山形は何発撃ちましたか? あと7発撃てる状態でしたが」

「弾倉カラにして」

山形「予備弾倉に換えます。カシャッ」

「周りのざわつきが、ただのざわつきじゃなくなってきたね、だんだん」

南田「詠唱になり始めたな」

「ざわつきが重なりはじめて、何かひとつの言葉になってきてるね」

琴音「リーダー的存在を探す。いますか?」

「見あたらない」

琴音「見あたらない? 違うのか……」

「<クトゥルフ神話>持ってる人は振っていいです」

(コロコロ……)

琴音山形「失敗」

「いあ! なんちゃらかんちゃら! とか言ってますね。ぬあいあるらとほてぃーぷ! とか」

山形「うわ(笑)、やっぱり」

森谷「そのまま走り続けちゃいます。大丈夫かなあ」

都筑「走り続けちゃいますね。まだ周りにいるやつがいたら、このさいカメラでぶん殴る」

森谷「近寄ってくるやつらとかいないかどうか、見回してみます」

「いませんね。みんなその場に立ち止まって、何かを言っている。
 さて、琴音さんの相手だったやつは、木村くんがとりあえずぶん殴って倒しました」

都筑「いい仕事してますね」

「木村くんが『ここは危険だ。早く立ち去ろう』と言う」

琴音「いや、でも、まだあっちに都筑くんたちが……」

「『俺たちが出ていったところで、何もできないさ』」

琴音「そりゃそうなんだけど、確かに」

「で、祭壇に駆け寄った方。どうします? 菜っちゃんがいますが」

森谷「その子を拘束しているものはなさそうですか」

「ないです」

森谷「じゃあ、もうかっさらって行きましょう」

南田「三人で抱えて持っていきましょう」

森谷「山形さんのところに戻っていきます」 動いた祭壇

「じゃあ、かっさらったと同時にですね、祭壇が奥へ滑りだします」

<一同>「ぐえー」

「祭壇の下にレールが二本ついてまして、たぶんこのレールはトロッコのものを切断して持ってきたんでしょう」

山形「なるほどね」

都筑「首無し騎士だ」

「首無し騎士は出てこない(笑)」

森谷「クリストファー・ウォーケンが相手ですね」

「祭壇の下には、直径1メートル強の縦穴が空いています」

山形「何か出てくるのか、ここから」

森谷「でもそんなことは気にせず、先へ進む」

「はい、戻ってきた。菜っちゃん気がついた! ここはどこわたしはだれ」

南田「自分で歩け! 後ろからついてこい!」

「『うん、解った』」

南田「お巡りさーん」

山形「警察であります。そのまま一緒に逃げる(笑)」

南田「あとは逃亡だけです」

「さて、逃走しようとしたところで、先ほどの縦穴のところから、何かガキン、ガキン、ズルズルズル……という音が。ガキンは金属音。ズルズルは何か湿ったような音」

山形「見ずに逃げる!(笑)」

「思わず見ちゃった人は――いますか?」

都筑「人情として振り向く」

南田「顔を揃えて振り向こう」

山形「“館”のときと同じように――逃げる(笑)」

森谷「ええーっ! 山形さん、やっぱり……」

琴音「チキンな警官だから」

「倒れた四人の男たちの血が、自然に縦穴の中へ流れ込んでいってまして、穴の中で啜るような音がして(笑)」

<一同>「じゅるじゅる」

「あとは何か、ぶほっぶほっと空気が抜けるような変な音が聞こえてきます」

森谷「ぶほぶほ?」

「そして何かがにゅるんと出てきた」

南田「ほう」

「それ触手なんですが、崖崩れのときに見えたものと似てるような気はする」

森谷「あーっ、お前かーっ!」

「不健康な肌色っぽい色の触手でして、そいつが例の鎌を握っています」

森谷「握ってるんですか?」

「そう、触手で」

森谷「ぐりんぐりんと絡まって」

南田「器用なやつだ」

「それが穴の中から出て、グサッと地面に刺さる」

森谷「そうやってよじ上って来るのか! 恐えー」

「にゅるにゅると何かが見え始めました。現時点で<正気度>ロールしてください。まだ全部姿は見えていないですが」

(コロコロ……)

南田「失敗です」

山形「背後から恐怖を感じた。成功でーす」

「一瞬、そいつの頭部らしきものが、ぬっと姿を現しました。目まで見えた」

森谷「目があるんだ」

「人間の目と同じもののような気がする」

南田「なんなんだ、いったい」

琴音「さっきの写真の目とおんなじなのかな」

「というわけで、成功しても1D4。失敗したら1D10減る」

(コロコロ……)

琴音「2」

都筑「1しか減らない」

南田「一時的狂気でありますー!」

<一同>「うわー!」

南田「あれは落とし子だよー」

琴音「なんの落とし子だよ(笑)」

「あれは、彼らの崇めている《神》であるということは、もちろん理解しました。今までの資料からも察しはついていると思いますが――」

南田「で、どうしますか、一時的狂気の症状は。ダイスで決めましょうか」

「不定の狂気の表と一時的狂気の表は違うんですよねえ。まず時間を決めてください」

南田「(コロコロ……)8ラウンド」

琴音「すぐだ」

南田「じゃあ、1分20秒間だけ、俺の独壇場が始まるんだ」

「症状は、不定の狂気の表を使っちゃいましょう」

南田「(コロコロ……)恐怖症だ。ミミズ恐怖症にしましょう」

山形「ミミズが恐いぃ!(笑)」

「いや、女性恐怖症」

森谷「女性恐怖症ですか?」

「うん。というのも、明らかに、その怪物についているひと組の目が、愛らしい少女の瞳なんですよ」

<一同>「うわあああ」

森谷「気持ち悪ーい」

山形「あ、少女ってそういうことか!」

都筑「星が輝いてるんだな、きっと」

「では、その場に留まって見続ける人いますか?(笑)」

森谷「もちろん見てえ、けど、これ――見ましょう」

山形「見たいの?(笑)」

「逃げたい人はここで逃げていいです」

山形都筑「逃げまーす」

山形「洋館で感じたあの恐怖と同じだから、私は逃げる」

琴音「木村くんを連れて」

「岩手刑事は、何を思ったのか、空になった銃をカチカチカチ……とやっている」

山形「いい感じだ(笑)」

「『殺してやる殺してやる……』とつぶやいてる」

山形「駄目だ、逃げる」

森谷「とりあえず逃げます」

「はい、みんな大変だっちゃー! と言って逃げますね」

南田「誰ですか」

「では、どちらの方角に逃げましょう?」

南田「では、道に沿って」

「変な道に沿って行きますか?」

南田「変な道はまずいか。やつの通り道だよ」

森谷「あ、そっか。じゃあ――川下り?(笑)」

南田「川を越えたら、やつ来れなさそうですよ」

森谷「うん、それでいきましょう」

都筑「でも、これ結局、出口って塞がれたままなんですよね」

南田「やつらの家がここにあるということは、どうせあの神様は人間を見境なく喰ってるはずだから、やつらには川を挟んで暮らしたいという理由があるはずなんですよ。つまり川の手前は神のエリアで、向こう側はやつらの居住区という説を――適当に練り上げて」

森谷「なるほど。じゃあ、そっちへ向かいましょう、とりあえず」

山形「走って逃げる」

南田「まあ、あの女子大生を置いていってもいいけどな!」(女性恐怖症ゆえの女性不信(笑))

森谷「うわあ」

南田「あいつがすべて、俺たちを陥れたんだ。――ていうか、やつが神?(一同笑)」

都筑「この人おかしいよ(笑)」

南田「みんな落ちつけ、あの怪物の目は、あの女の目にそっくりじゃないか!」

山形「とにかく民間人は逃げるんだ!」

「では、とにかく逃げますと、背後から巨大な気配が近づいてくる!」

森谷「ぎゃーっ!」

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