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― セッション終了 ―


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山形「なるほど〜」

安原「山形鉄男の最期ですね」

「以上で『マズルパズル』終了です」

〈一同〉「お疲れ様でした〜」

山形「山形さんらしいラストだったな」

安原「返す返すも、ラストの扉を開いていれば、きっと、もっと面白かったのに」

「山形さん、長い間お疲れ様でした(礼)」

山形「お疲れ様でした(笑)」

「まあ、生き残っても、正気度26じゃあ、無理ですから」

山形「無理ですね」

(だからいっそのこと、引導を渡してやろうと(笑))

安原「クトゥルフ・ハンターにはなれなかった」

山形「いや、でも山形らしい。最後はあっちの世界に行っちゃいましたからね」

神保「それが“らしい”かどうかは、ちょっと微妙ですけど」

安原「でも、クトゥルフ的にはいいんじゃないんですかね」

山形「インスマスに戻っていった彼のように」

安原「今まで戦い続けてきて、最後は戦われる側になってしまって、おしまいと」

「それでは、学生PCは生き残ったので正気度回復なのですが――」

安原「でも、助けたいと思ってた人たちは、みんな死んじゃったから」

「神話的事件を生き残ったということで、1D6増やしてください」

神保「(コロコロ……)あ、6回復した」

安原「(コロコロ……)5点回復。ゲーム開始時の初期値は越えてもいいんですよね?」

山形「で、〈クトゥルフ神話〉が増えるわけだ」

「はい。神話的事件初体験ということで、5%ずつ増やしてください」

(毎度のことですが、ハウスルールです。あしからず)

「ほんでもって、チェック入れた技能の成長ロールを。失敗したら1D10増加です」

(ふたりとも〈拳銃〉が少々増えた程度)

安原「拳銃なんか上手く撃てるようになっても、どうすんだろうな、こいつ」

神保「日本では仕事する口がない」

山形「警官になるんだよ。山形の意志を継いでくれ(笑)」

神保「で、あっち側に行くんでしょ? 最終的に」

安原「なれるもんならクトゥルフ・ハンターになりたいですけど。――でも、こいつ頭悪いからなー」

「最後、山形は《神》になりました」

山形「(笑)」

安原「見上げると、夕焼け空に山形さんの顔が。――あ、でも、首がないんだ(笑)」

山形「山形は誰に殺されるんだろうな。イチジョウさんかな? ――そのまま、どこかに消えちゃうのかな? 結社のもとに行っちゃうのかな?」

安原「誰か回収に来るのかもしれません」

神保「山形の前に巨人が現れて、巨人を射殺しない限りは、山形が完全に巨人化することはなかったんですかね?」

「もしあの場面で、なんらかの理由で山形が戦闘に参加していなかったら、山形は《神》になっていなかったでしょう」

安原「はあはあ」

「あの戦闘の最中、皆さんが《神》やマサヤに与えたダメージをすべて集計していたのですが、やはり山形さんがダントツで“悪意”の数値が高かったので」

神保「ああー、なるほど」

安原「蓄積したダメージの量で判定していたんですね」

「そうです。発狂すると命中率が上がり、余計《神》に近づきやすくなるというわけです」

神保「じゃあ、僕らが一生懸命トカレフで《神》にどんどん撃ちこんでいたら、もしかしたら、出目によっては、僕らだった可能性もあるわけですか」

「そうです。山形さんが戦線離脱した場合などは特に。――まあ、最初から山形さん狙いではありましたが(笑)」

山形「(笑)」

安原「あのドアの向こうには何があったんですかねえ?」

神保「ねえ」

「それは、地図を見れば判ります」

安原「――ああ、ははーん、なるほどね、そういうことかー。あちゃあ」

山形「ここを牛耳ってる人たちが――うんたらかんたらなんでしょう(笑)」

「なぜ、ああも簡単にアドレス逆探できたんでしょうか。なぜ、公共の施設である下水道にあんなものを造れたのでしょうか」

神保「ああー、そりゃそうか」

「naunetにも息がかかっているんでしょうね」

神保「牛耳ってるの誰ですか?」

安原「鳴兎門大学の創始者がまだ生きていて、脳味噌だけになってるとか」

神保「やつか!(笑)」

―― 『マズルパズル』 了

(プレイ時間:330分)



あとがき

 というわけで、「このゲーム一度TRPGでやってみたかってん」シリーズ第2弾は、『シルバー事件』です。2回目にしてすでにホラーゲームじゃないですが、あまり気にしないでください。このゲームをプレイし終えたとき、「ほんの少しイゴーロナクっぽいなあ」という気がした人は、僕の他にいるのでしょうか。いなさそうですが、それはともかく、恥ずかしげもなく『シルバー事件』をパクッたシナリオになっています。インスパイアどころではありません。真似してはいけません。みんなには黙っておいてください。

 4年ほど前、『妻守山の人喰いの森』を制作している時点で、『マズルパズル』の構想はあったものですから、魔の森に地味な伏線を張ったりしつつ、あとで深く後悔したりしました。結局はたいした伏線にもなっておらず、生かしきれてもおらず、だいぶ無計画な〈マズルパズル計画〉となってしまいました。しかも制作途中でハードディスクのトラブルが生じて、データが綺麗になってしまったり。これは紛れもなく邪神の妨害です。電波です。黒太陽からの邪念波です。それはさておき、なんとか形になりました。よかったよかった。

 恐らく、今まで創った中で最も自由度の低い、独りよがりなシナリオとなりました。これは元ネタである『シルバー事件』や『ムーンライトシンドローム』に倣ってのことです。基本的に一本道で、NPCらは唐突に訳の解らない台詞を一方的に喋っては消えていくという、作家のマスターベーションとか言われる例のやつです。プレイヤーの皆様を束縛し、理解もさせないまま突っ走ったことをお詫び申し上げます。そして、ここまで読んでくださった方にも。

 このシナリオ最大のテーマは、“CoCにおける拳銃”です。たぶん。拳銃はかなり強力な武器であり、同時に危険な道具でもあります。CoCのルールは人間が脆弱であるがゆえに、拳銃の恐さを思い知ることができるものとなっているのではないか、と思います(実際の銃はもっと恐いけど)。怪物相手には頼りになる武器でありながら、所持することによってキャラクターの行動はときに大胆なものになり、パワープレイを助長しかねない道具。諸刃の剣ともなりかねないこの魅力的なアイテムをテーマに、シナリオがひとつ創れないものかな、と当時考えていたかどうかは忘れました。でも拳銃がテーマであることに間違いはないと思います。社会派です。世相を斬ります。かっこいいです。

 拳銃で倒せる邪神、ということで、イゴーロナクはおあつらえ向きでした。どうも、イゴーロナクって、世間ではあまり人気がないような気がするのですが、どうでしょう(僕の思いこみかもしれません)。外見はパッとせず、たいして強くもなく、凄い能力があるわけでもなく、邪悪さは底が浅い……。ああ、こりゃあ、人気出ねえわ。――そんなイゴーロナクが僕は嫌いではなく、いつかシナリオに登場させてやろうと虎視眈々と機会を窺っていたのですが、はたして、この作品は成功だったのか失敗だったのか。かっちょ悪い(?)イゴーロナクを上手く料理できたのか。判定はもちろん、プレイヤーの皆様とリプレイを読んでくださった皆様に委ねられるわけですが。

 それでは、貴方の掌に口が開かないことを願いつつ――。

―― 2006/5/27 Trapezohedron.



 【影響を受けた作品】

 ●小説

 『冷たき刻印』ラムジー・キャンベル著/湖の隣人さま訳(【】)

 ●ゲーム

 『シルバー事件』須田剛一監督(グラスホッパー・マニュファクチュア)
   (各章エピグラフは、すべて本作品からの引用です)

 『ムーンライトシンドローム』須田剛一監督(HUMAN)

 ●映画

 『バレット・バレエ』塚本晋也監督/脚本(1999日本)

 『トカレフ』阪本順治監督/脚本(1994日本)

 『回路』黒沢清監督/脚本(2001日本)

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◆◆◆ ボーナス・トラック マズルパズル予告編 【】 ◆◆◆
 4年前に冗談半分で作った予告編です。最終的に使われなかった部分も多々ありますが。
 お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、『妻守山…』の最後にも予告編のURLが記載されてました。