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Act.7 夜は訪れて闇
それからのゴーちゃんはポケットから取り出したメモ用紙に、
何やら数字をいっぱい書き並べ、必死に計算をしているようだった。
瞬く間に夥しい数の紙片がそれに費やされ、机の上には紙屑の山ができた。
――それ何の計算。
不思議そうな顔をして渡クンが聞いた。ゴーちゃんはちょっと顔をあげ、にこっと笑った。
――呪文をつくってるのさ。
― 竹本健治 『夜は訪れぬうちに闇』
琴音「――これって、蓋閉めていいんだっけ?」
長沢「蝶番が外れているから、また開けることはできるんじゃないですか」
琴音「うん。でも――」
K「何だろうなぁ。解らないなぁ(笑)」
琴音「いや、私も知らないんだけど(笑)、蓋を閉めていいんだか、ちょっと気になってんだけど――」
長沢「そうかぁ。アレだったら」
琴音「きっとアレだと思うんだけど(笑)。いや、私は知らないんだけど」
長沢「キャラは知らないけど」
(でもプレイヤーはマニア揃い(笑)。そしてキーパーは僕(笑))
芳樹「輝いてる(笑)」
長沢「輝いてない!(笑)」
琴音「まあいいや、とりあえず、芳樹を」
芳樹「混乱してるから、部屋に籠(こ)もっちゃう」
琴音「手ぶらで籠もっちゃう?」
芳樹「手ぶらで」
長沢「じゃあ、見るのやめて、何かブツブツと」
琴音「ちょっと、いったい、どうしちゃったのよ。何? そんなにじーっと見ちゃって」
長沢「今、あれなんですよ。この、見てたら見られたというか――」
琴音「誰に?」
長沢「いや、解んないんですけど。うまく言葉にはできない」
琴音「かずにいちゃんはどうだった? 何か見えた? 私は見えなかったんだけど」
長沢「絶対、何かがこっちを見てて――何かいたんだよ、中にさあ」
芳樹「中にいるんだよ」
長沢「コレの中にぃ!」
琴音「じゃ、閉めちゃえばいいじゃない」
長沢「そうですね。じゃあ、パタン、と閉めちゃいます」
K「はい。閉めました」
琴音「……ところでさ、字って読めた?」
高坂「文章自体はちょっと」
長沢「英語は読めないですねぇ」
芳樹「よし、英語の先生を捕まえて(笑)」
琴音「これがどう、世界の崩壊だか――」
長沢「創り直すんだか、根底が云々というのと関わりがあるのかというのを調べるには――」
琴音「あの丸いのって、逆さにやったら落ちてきたりとかしたのかな」
長沢「そうじゃないですかねぇ」
高坂「例の数式が書いてあるページとかって、見つかりますかね」
K「時間かけて読まないとねぇ」
長沢「10センチもあったら、ペラペラ捲って見てるだけでも、時間はかかりますねえ」
芳樹「必殺、"斜め読み"」
K「斜め読みなら半日でできるけど」
芳樹「それは英語が読めればの話」
K「そのとおり」
長沢「英語が読めるやつがいないんですよねぇ」
芳樹「だから先生」
長沢「学校の先生に連絡ですかねぇ」
琴音「鷹見家にはパソコンがあったりスキャナがあったりはしないの?」
芳樹「翻訳ソフト?」
長沢「こいつは<コンピューター>を40%も取ってるから、きっと自作なんかしちゃったりするのかな」
芳樹「お! あるな、たぶん。あるある(笑)」
琴音「きっと意味の通じない羅列になって出てくるんだろうけど(笑)」
K「翻訳ソフトくらいなら持ってます」
長沢「じゃあ、家に帰って調べることにします。ページをスキャンして、やってみます」
高坂「車でお送りしましょうか」
琴音「(芳樹に)部屋に籠もってるの?」
芳樹「うん。籠もってる」
琴音「とりあえず心配だから、部屋に行こうか」
K「翻訳作業ですが、そうですね、スキャンしてからだから、かなり時間がかかるかな」
芳樹「その玉は取れるの? スキャンするときに」
長沢「そうですね。邪魔になりますね」
K「取りますか」
長沢「取ります」
K「取れます」
長沢「じゃあ、ポッと取って――(高坂に渡す仕草)(一同笑)」
高坂「……」
長沢「あんまり、中見ないほうがいいですよ」
K「持つと、やけにひんやりしてますね。そして凄く固い。そして軽い」
高坂「どっかに置いていいですか? ――適当に、机の上かどっかに(笑)」
長沢「キャラ知識じゃ知らないですからねぇ、これがどういうものなのかって」
高坂「布か何か掛けます?(一同笑)」
長沢「そうしてください。タオルか何かを、こう」
K「そうだね――夜までかけて<コンピューター>ロールを」
長沢「解りました。じゃあ、お通夜始まるまで」
琴音「そうか、今日、お通夜やん(笑)」
芳樹「いや、部屋に籠もって。姉貴が死んで哀しくて部屋から出て来ない作戦」
K「作戦(笑)」
長沢「(コロコロ……)よし、成功です。24」
K「それじゃあ、夜中までに何とか、意味は掴めてきた。
――えーと、そのときふたり(鷹見姉弟)はどうしてるのかな?」琴音「美しき姉弟愛で正気づかせようと(笑)」
芳樹「ということで」
K「はい。じゃあ、そうだね、もうだいぶ夜も遅いでしょう。深夜に近い」
長沢「ああ、じゃあ、お通夜はひととおり終わって、みんな三々五々帰るんだか何だか、し始めていますね」
K「はい、それじゃあ、そろそろ翻訳が終わるかなという頃に停電になりました」
長沢「ブツンと落ちるんですか(半笑い)」
K「落ちました(悪魔的な笑い)」
琴音「ガーン」
長沢「とりあえず、混乱から立ち直ったら、本を抱えて、どこかに隠そうと思います」
K「黒いやつは?」
長沢「黒いやつは、たぶん、忘れてます」
K「はい。というわけで停電になりました。たぶん大雪のせいでしょう」
高坂「あのう、私、同じ部屋なんですけど(笑)」
長沢「どうしますか? 途中で、どっか行っちゃってもいいですけど」
高坂「いや、います。いることはいるんですけど――」
K「それじゃあ、停電のままです。特に何も起こりません」
長沢「そうですね――、衣装ダンスの抽斗(ひきだし)に本を隠して、部屋の外に出ます」
高坂「黒い玉はどうします?」
長沢「ああ、そんなのもありましたね。じゃあ、それもどっかに隠してください」
高坂「じゃあ、同じとこに入れときましょうか」
長沢「いや、別にしたほうが」
琴音「ハンコと通帳は別々に(笑)」
高坂「じゃあ、天井裏(笑)」
長沢「それは駄目です(笑)。どうしようかな……」
琴音「持ってるっちゅうのは?」
高坂「(笑)持ってましょうか?(笑)」
長沢「ああ――。キャラは持ってるかなぁ?」
芳樹「キャラだったら持ってるでしょう」
長沢「ですね。じゃ、布に包んだまま持って。――本は置いて行きます。
部屋を出て、とりあえず下に向かいますね」K「親とか残っている人たちは、停電だ停電だと騒いでますね。まあ、祭壇の蝋燭(ろうそく)がついてるから、それで懐中電灯とか探してます」
芳樹「こっちも停電?」
K「全部停電。どこかしこも」
琴音「でも、まだ真っ当な人が起きてる時間かな?」
K「そろそろ寝る時間でしょうか」
長沢「どうしましょう。あ、そうか、電話はできますね。それを試みてみましょう」
K「掛かりますけど、どこに掛けましょう」
長沢「そっち(芳樹)に。で、解読が終わったけど、電源が落ちちゃって見れないよ、と」
芳樹「でも、翻訳文は出てるから、少しは読んだんでしょ?」
K「少しは読んだ」
長沢&芳樹「その内容は?(芸術的なまでにハモる)」
K「本のタイトルは、『闇に用いる力学』ですね。著者名が、ベルナトゥール・オーベルトとか書いてますが、だいたいの内容ですけど、この人が独自に提唱している何らかの物理の法則があるらしくて、それには"闇の粒子"というものが関係しているらしい。闇の濃淡とか、エントロピーがどうのとか、そういうことがいっぱい書いてある。例の数式も見つけた」
長沢「そういう、触りだけのネタは判るんですね」
高坂「……一度、合流しますか」
長沢「そうですね、そういった詳細を伝えて、とりあえず集まろう、と」
芳樹「雪の中をですか。除雪車は通ってるでしょうから」
長沢「そこまで豪雪ではないのでは」
K「辛うじて車は走れる」
琴音「私たち待ってていいの?」
長沢「そうですね、車があるから」
高坂「それだったら、本も持っていったほうがいいんでは?」
長沢「そうしましょう。部屋から本を持って出ます」
K「はーい、じゃあ、暗い中、合流――」
長沢「合流して――」
K「――合流する前に、車移動組のおふたり(笑)」
琴音「あ、やっぱり(笑)」
長沢「遂に来ますか(笑)。大丈夫かなぁ、おい」
K「車を運転していると――まあ、雪の中、滑りやすいですし慎重に走ってました。視界も悪い(笑)」
長沢「ワイパーのカッタンカッタンという音がずっとしてて」
K「静かだねぇ。車の音以外は何も。えーと、運転手さん、<幸運>ロール」
高坂「嗚呼――ごめんなさい(まだ振っていない)(一同笑)」
長沢「いえいえ」
高坂「(コロコロ……)あ、成功しました」
K「あ、成功しました? ――チッ――えーと、」
高坂「あ、舌打ちしませんでした?(一同笑)」
琴音「今、舌打ちしてましたよ(笑)」
芳樹「聞こえたぞー、今、チッって(笑)」
K「何のことでしょうか。僕は紳士ですから(毅然とした態度で無視)」
芳樹「聞こえたぞー(笑)」
K「えーとね、走っていると――前方の道路、そうだね、20メートルくらい先かな――に、突然、上から何かがドサッと落ちてきた」
高坂「止まります」
長沢「ん? ん? ちょっと待てよ……」
K「ブレーキを踏むと、ぎりぎりで止まることができました。どうやら――人の形をしているようです。小さな人影ですね」
高坂「上から落ちてきたんですよね」
K「上から」
高坂「目の前まで来たんですよね」
長沢「何ですか、何ですか?」
琴音「ヘッドライトに煌々と照らされた――」
芳樹「その姿は!?」
K「ピクリとも動かない、子供のようですね」
高坂「あら。出たくないけど――出ざるを得ないような気がするんだけど」
長沢「キャラ的には出ますね、これは。大丈夫か!? みたいな感じで。
こっちは、何が起こったんだろう、何だかよく判んないけど、とりあえず待ってます。待ってないと(笑)」高坂「サイドブレーキを引いて出て行きます」
K「高坂さんが出ていくと――子供ですね。パジャマを着ている」
高坂「何で上から? ――ついつい上を見ちゃうけど、別に何もあるわけじゃないですもんね」
K「えっ? そうなの?(悪魔的な笑み)」
高坂「ええっ!?(笑)」
琴音「何か見ちゃった(笑)」
K「何もないのかなぁ?」
高坂「思わず上を見ちゃいましたけど(笑)」
K「思わず上を見ちゃうと――」
長沢「アレがいるのかなぁ?(笑)」
K「見えるかなぁ。そうだね、<目星>振ってみてもらえますか。見えないかもなぁ」
高坂「(コロコロ……)せ、成功しました」
芳樹「あ、見えちゃった」
K「よかったねえ。成功したから見えたよ」
琴音「よかったねえ(笑)」
K「遙ぅ〜か彼方、真っ暗な空に、何か黒いものがよぎったような気がした」
長沢「うわ〜、そっちかぁ〜」
高坂「子供はどうなんでしょうか?」
K「その前に、<正気度>ロールをお願い(笑)」
高坂「(コロコロ……)あ、08だ! 成功すると――?」
K「成功しても1ポイント減らしてください。もの凄く不安な影でした」
芳樹「不安な影(笑)」
K「子供はピクリとも動かず、血だらけになって死んでいる<正気度>ロール(笑)」
芳樹「(((笑))))」
K「死体に驚く」
高坂「(コロコロ……)失敗、です」
K「1D3減らしてください」
高坂「(コロコロ……)3」
長沢「死体だ! っていうほうが強いんですね。
――何があったんですか!? って、そろそろ出て行きますね」高坂「空に!」
芳樹「空に! って言ったあとに見るね、死体(笑)」
長沢「見ますね。血だらけは見ちゃうから――(<正気度>ロール。コロコロ……)うわあ、失敗だぁ!」
K「1D3」
長沢「うーわ、3点減っちゃった」
芳樹「で、死体は誰だったの?」
K「見覚えは――あるか。ありますね。苛めっ子のひとり」
琴音「ありゃ。そうか……」
芳樹「そういう道に行くか――」
高坂「一応、そのことだけは伝えておきますけど――あと三人いましたね」
K「ちなみに、火傷じみた痕はないですよ」
長沢「ないですか。パッと見、血らだけになって倒れている――? じゃあ、そうですね、ケイタイで、こっち(芳樹)と警察のほうに連絡しましょう。それぞれに状況を伝えます」
高坂「警察には――色々なことを考えて、桜場刑事に直で」
K「はい。何て説明するの?」
長沢「血だらけの死体が空から降ってきて、車の目の前に」
芳樹「――じゃあ、君たちが轢き殺した、になっちゃうから――そこに死体があった、だけでは?」
高坂「車に傷はついてないと思うから」
琴音「それに周り雪で、跡はないから。――でもそれも変だよね。車で来て、ポイッてやったかもね(笑)」
長沢「何にしろ、疑惑は晴れないですねぇ(笑)」
高坂「(長沢に)とりあえず、先に行かれたほうがいいんじゃないですか?」
長沢「そうですね。鷹見家に向かいましょう」
高坂「いないとまずいですよね、警察に連絡したから」
芳樹「じゃあ、あなたは残って」
高坂「拘束されますんで、しばらく(笑)」
長沢「じゃあ、僕は、凄く恐い独り歩きですね。本抱えて、布袋持って(笑)」
琴音&芳樹「頑張れー」
長沢「じゃあ、鷹見家に向かいます。本当に、宜しくお願いします」
芳樹「空を飛んでるものに狙われないように(笑)」
K「それじゃあ、タッタッタッと走って向かいました」
長沢「空だって? 何言ってたんだろうなぁ。まさか本当に轢いちゃったんじゃないだろうなぁ、とか思いながら」
K「着きました」
長沢「上がります」
K「はい。おふたり、迎えてください」
琴音「はい。特別熱い紅茶でも煎れてあげよう」
長沢「さっき、かくかくしかじか、こういうことがあったんだよ!」
芳樹「何ぃ!?」
長沢「血塗れでさぁ、倒れててさぁ、もしかすると轢いちゃったかもしれないんだけど」
琴音「やめてよ、フミく〜ん」
長沢「とりあえず、これを――と言って、本とアレを見せます。アレはただ、袋に包んだまんまで」
芳樹「アレはもう見ない」
長沢「解読した触りを喋ります。こうこうこういうものらしいよ」
芳樹「うわ、またエントロピーだ(笑)」
K「触りだけだと、どうも掴みどころがないですね」
長沢「何だか、あの数式もあったし。
……とりあえず、電気が戻るまで待機ですね」(その頃、ひとりぽっちの高坂ですが――)
K「じゃあ、警察が来ますよぉ」
高坂「はい」
K「『お前が犯人だな!』と連れて行かれたりはしません(笑)」
高坂「神妙にしております」
K「話を訊きますけど、正直にありのままを言います? それとも、ちょっと誤魔化します?」
高坂「ありのままを話しますけど」
K「空から降ってきたって?」
高坂「そう見えました(笑)」
K「じゃあ、酒気帯びかどうかチェックされます」
琴音「やっぱり(笑)」
K「それじゃあ、どうなるんだろう――調書取るために、一時拘束かな。――と、いうわけで特に変わったことはされませんので(笑)、安心してください。
――さて、その間――、待機でしたね」長沢「はい」
K「それじゃあ、朝方、やっと電気が回復しました」
芳樹「じゃ、コンピューターを見に行こう」
長沢「そうですね、じゃあ、家に戻ります」
琴音「寒いのに元気だねぇ、こんな朝っぱらから(笑)」
長沢「しかも眠いのに」
K「そうそう、朝、テレビでちょっと観たんですけれど、夕べ一夜のうちに、変死体が街の各地で見つかったそうです」
長沢「は、はひ?」
K「四人の小学生が」
長沢「うーわー、一気に出ちゃったんだぁ」
芳樹「行動に移ってる、向こうは既に」
K「更に、長沢さんのケイタイが鳴ります」
長沢「はい。もしもし?」
K「『君野です』」
長沢「君野さん、どうしたんですか?」
K「『大変! 葉山くんが――行方不明になってしまって――!』」
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