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Act.5 ユニバース



情報を制したものが勝つ。
誰もがそう信じて電脳空間にアクセスし、そして泉のごとく無限に湧き出てくる情報に、呑み込まれていった。
国籍、年齢、性別に限られることなく誰もが、どんな情報をも発信できる。
そしてまた誰もが、たった1人で国家を震撼させうる危険な情報を手中に収めることもできる、
そんな時代が到来していた。

― 渡辺浩弐 『BLACK OUT』



「すみません、筆が乗っちゃって、長い文章になってしまいました(笑)」



Cosmic Method



 人類にとって過去最大の事件とは、いったい何であったか。
 二足歩行を始めたこと、火を使ったこと、言語を生み出したこと――。
 いずれでもない。
 それは、ごく最近の出来事であった。
 1966年の歴史的な一日、あたかも鏡をつきつけられた猿のごとく、我々はこの日、地球を丸ごと写し取った衝撃的な一葉の写真の中に、己の姿を見たのである。
 この瞬間のことを、人類は決して忘れないだろう。
 この日、何かが、我々のシナプスに関わる何かが、起こったのだ。
 人類がひとつの種として覚醒し、世界は地球と同化し、そこには大いなる意識が、心が、生じた。
 この事件を境に、地球人類は丸ごと生まれ変わったのである。

 そして今、新たなる生まれ変わり――より高度な成長がなされる時。
 ここで我々は、宇宙の姿を、形を、目にするのである。

 しかし宇宙の姿は、正確なモデル化が不可能とされている。
 かといって、宇宙に形がないわけではない。無形であろう筈がない。
 形とは、動こうとする意志なのである。
 アインシュタインの円筒モデルも、ド・ジッターの回転双曲面モデルも、ハッブルの宇宙膨張発見によって否定され、現在ではあくまで概念的・観念的なモデルとして、球面が考えられている。
 閉曲面と呼ばれるこの球体状のモデルの内ではなく、表面上が宇宙の形とされている。
 全ての点が宇宙の中心であり、果てはない。
 あるいは球状ではなく、トーラスと呼ばれるドーナツ状であるとも考えられるが、いずれにせよ、到底、真のモデルとは言えない。

 宇宙の形を知覚するには、我々の視覚は寧ろ邪魔者である。
 目を通して脳に投射される映像は、虚偽に満ちている。
 視覚に頼らなければ思考が成り立たないという予断こそが、真理を遠ざける。
 ならば、どうするか。
 答えは明瞭かつ簡潔。
 人類の視界を、観測を妨げる、ヴェールを払い除ければよい。
 それこそが、唯一の手法。
 勇気を持って我々が依存しているヴェールを剥ぎ取り、真の形を認識する。
 これこそが、人類の成長なのである。

 イギリスに、事象の真の姿、物事の本当の形を観測しようと試みている小規模な集団が存在している。
 人の目や思考というフィルタを通して観測された世界は、実際の姿とは異なっており、それを見極めようとする。また、人間の知能では概念的にしか理解しえないもの(たとえば射影平面など、高次元の存在)までをも形として現そうとする。
 そういった試みに、真剣に挑んでいる人たちだ。
 これはぼくのモデル製作と実に似通った――いや、全く同一のテーマと言えよう。
 彼らがウェブサイト「コズミック・アポカリプス」で公開している膨大な情報量――物質の形状の法則、多次元の仕組み、といった項目の中に、幾何学的な図形を発見した。
 これを参考に、宇宙モデルの創造が可能なのではないだろうか。

 この度、『ブラックホール』を基にして新たに『ユニバース』を作製した。これは決して失敗作ではないが、不完全で歪なモデルであり、概念としての閉曲面と大差はない。
 視覚に捕らわれている。捕らわれてしまう。どうしても。
 そもそも、この宇宙を広大なブラックホールと見なすという出発点からして誤りがあったのであろうか。
 宇宙の半径はシュヴァルツシルトの半径とイコールであり、宇宙の外から一切の情報が我々にもたらされないのと同様、もし宇宙の外から観測しようとした場合も、ブラックホールがそうであるように、暗黒に隠された内部を窺うことは不可能、というアイデアなのだが。
 ぼくの現状の力量に限界があるということなのだろうか。

 創作にコンピュータを取り入れてみることにした。
 「コズミック・アポカリプス」で入手した図形を3Dモデル化し、モニタ上に再現。
 ここで、自然界の揺らぎ、あるいは神の気紛れを表現する要素として、フラクタルとカオスを利用する。
 宇宙の全ての事象はカオスとフラクタルにより成り立つ。
 モノのカタチがフラクタルで成っているのならば、宇宙もまたフラクタルであることに違いはない。
 宇宙の嚆矢たるビックバン。そこには、非常に緻密であり同時に単純でもある、フラクタル・プログラムが仕掛けられていた筈である。
 これを、神の意志と誇称してしまってもよい。
 モニタ上で3Dモデルを増殖させ、組み合わす。
 増殖のルールも接続のパターンも、フラクタルとカオスを応用する。
 永遠に膨張する、モニタ上のカタチ。
 これはいずれ、人の目では知覚しえない真実の姿を見せてくれることだろう。

 しかし、ぼくのマシンだけではスペックが不足している。
 様々なフラクタル・パターンを試してみたいのだが。
 解決策はある。
 だがそれには、ぜひとも、これをご覧になっている皆さんのご協力が必要なのである。
 あなたのマシンで、ぼくの作製したプログラム、"Universe"を起動していただきたい。
 モニタ上に描かれる3DCGのパターンを、プログラムが自動的に圧縮データに変換し、24時間ごとにHDに保存してくれる。
 あなたはそれを、毎日メールに添付してぼくに送ってくれるだけでいい。
 CGの描画中、あなたはマシンの電源を入れっぱなしにしておかなくてはならない。CGの描画に「終わり」はない。あなたのマシンのメモリをだいぶ費やすこととなるだろう。それについては、申し訳ないとしか言いようがない。
 一応、途中経過を保存しておけば、電源を切断して翌日から再起動するということは可能だ。もちろんそれでもかまわない。
 だがそれでは、どうしても結果が出るのが大幅に遅れてしまう。
 無論、ぼくに強制する権限はない。あなたの好きなようにプログラムを起動させていただいて構わない。
 もしもこの勝手な願いに協力するにやぶさかでないという方は、以下にあなたの名前とメールアドレスを入力し、「送信」ボタンをクリックしていただきたい。
 あなたの協力をお待ちしている。

―― アヤセマサキ



Name:
E_Mail:


山田「北村ドットコム、送信(笑)」

中村「中村ドットコム」

「ないんだろ!?(笑)」

中村「うーん」

「送る?」

北村「送るよ」

山田「あ、送るんだ。まあ、送るしかないだろうけど」

「じゃあ、北村のアドレスを送りました」

北村「自分の家でね」

「ハンドルネームで? それとも本名で?」

北村「ハンドルネームで」

山田「こっちも送ります。ハンドルネームは"飛びます飛びます"(笑)」

「(なんじゃそりゃ)はい」

山田「忘れそうだ(笑)」

「で、送りました」

山田「『ふざけるな』って返ってきたりして(笑)」

「さて、あとは何します?」

中村「掲示板は見張らないと。たぶん、結果を書いている人がいるはず」

「じゃあ、ずーっと掲示板を監視?」

北村「それだったら、その前に、"コズミック・アポカリプス"に行きたいな」

「そのアドレスは書いてないけど、探す?」

北村「探す」

「これは海外のサイトだから難しいかもなぁ。<英語>ロールが必要でしょう」

山田「あ、いけるな、両方。<英語>41と<コンピューター>51で、二回ロールってことなのかな」

「そうなります」

山田「じゃあ、まず<コンピューター>(コロコロ……)00。うーん、珍しく失敗してしまった」

「見つけられないなぁ」

北村「(コロコロ……)駄目」

「<図書館>で再チャレンジしてもいいよ」

山田「<図書館>のほうが高いのか。(コロコロ……)あ、OK。で、あとは<英語>(コロコロ……)うん、失敗。わかんなーい」

「それじゃあねぇ、でもある程度は英語が読めるから、それそのものは見つけられませんでしたが、どうやら、それがあったらしい跡というか――」

山田「ああ。どっかにはその先あるんだろうなっていう感じなのかな」

「引っ越したのか、削除したのか。なくなってるねぇ」

山田「いいところまでは来てるんだけどなぁ」

「他の英語のサイトで、"コズミック・アポカリプス"にリンクを張っているオカルト関係のところがあるんだけど、そこにも、どうやら削除されたらしいということが書いてある」

中村「掲示板に書けばいいんじゃない? "コズミック・アポカリプス"って、どこにありますかねぇ――って書いてみる」

「どこの掲示板に?」

中村「あの掲示板。人が多いところ。ファンサイト」

「はい。じゃあ、書いておきました。
 ――では、"コズミック・メソッド"に記入して送信された方、早くもこの日のうちに返事が来ます」

山田「おっ!」

差出人:ayasemasaki

送信日時:****年8月26日 22:20

宛先:********.***.**.**

件名:cosmic method

---------------------------------------------------------------------

「文書はないです。添付ファイルつきのメールが」

山田「わーい。アイラ〜ブユー♪(笑)」

「アイラブユーではないです。件名は"cosmic method"で、ファイル名が"universe"」

山田「うーん、差出人はアヤセっぽい? ぽいというか――」

「そう書いてはある」

山田「メールアドレス見ても判んないんだよなぁ、こういう場合は」

中村「前のメールのアドレスとは?」

「まあ、今日来たアドレスと美穂さんのところに来たアドレス見比べれば判るだろうけど、そのためには美穂さんに訊かなきゃいけない」

山田「ちょっと隣に行って訊いてきます。ピンポ〜ン」

「しーん」

山田「えー、そんなぁ」

「ご不在かもしれないですね。返事がない」

山田「(ドアに耳を当てる)」

「聞きたいなら<聞き耳>。耳当ててるところを後ろから『何してるんですか?』なんて(笑)」

山田「はっ!?(笑)――(コロコロ……)全然聞こえない。
 部屋に戻って、メールでも打っておこうかな。このアドレスご存知ですか? と。今までのいきさつも書いときます。で、あとPCもパワーアップしとこうかな、うん」

「まだファイルは開かない?」

山田「うん、まだ開かない。今はまだ。パワーアップさせてから」

「北村君はまだ開かない?」

北村「開かない。開く前に、ファンサイトの掲示板にはまだ、開いた人の意見ってのはない?」

「そういうのはないですね、まだ」

北村「うーん、そうか。でもそれだったら、パソコン二台あるし、一台で開けるな。開けてみる」

「なるほど。そうですね、圧縮されていたのを解凍して、――開けました!」

北村「開ける前に一応、バックアップは取っておいてね」

「はい。えー、開けるとですね、画面が――」

山田「文字がパラパラパラパラ……(一同笑)」

「ああ〜っ! やられた〜っ! もろカスケードじゃないか(笑)。
 ――えーとですね、画面が真っ暗になりまして、画面の中心にですね、奇妙な幾何学模様みたいなのが、細かいのが描かれた」

山田「ああ、目がチカチカする」

「それがどんどん描かれ、描かれ、描かれ、……ごちゃごちゃっと、似たような形の模様がどんどんつけ足されていく感じです。3Dモデルですね、はい。何か、丸っぽいものと棒っぽいものの組み合わせに見えます。それがずーっと続くって感じ」

北村「それは全然、見たこともないような――?」

「そうですね、今まで見たこともない形ですね。――<幸運>ロール振ってもらえますか」

北村「(コロコロ……)……」

山田「うん、不幸らしい♪」

「それじゃあ、――これは不幸なのだろうか。まあいいや――見ていると、もの凄く気分が悪くなってくる」

北村「ん〜」

「でもなんか、目を逸らすのは厭だなぁ。見ていたいなぁ。気になるなぁ。見ていると頭の中が掻きむしられるようだなぁ」

北村「なんとか目を離したいんだけど、それは」

「そういうあなたは<正気度>ロール。見ていると、なんか、もの凄い不安になるね。昔のことを思い出してくるような感覚。昔と言っても、生まれる前の記憶を呼び起こされるかのような――気持ち悪い感覚」

北村「(コロコロ……)ああ、よかった。成功」

「くらくらしながらも、目を逸らすことができました」

北村「ちょっと落ち着いてから――」

山田「もう一回見る」

北村「違う!(笑)」

「ハードディスクは始終ガリガリ言っています。何かやっていますね」

北村「もう一台のパソコン起動して、山田のほうに、それを開いて出てきた画面とか、凄い気分が悪くなったこととか、一応そのへんは報告しておこう」

山田「えーっ? この絵を見たい人は、ここをクリックぅ?」

「違うだろ(笑)」

山田「あれ? メールが来てる。カチッ。……くらくらする? でも来ちゃってるんだよなぁ。そう言われると起ち上げたくなるなぁ。でもパワーアップしてからにしよう。とりあえず今日はやめとく」



8月27日(日)――

「では次の日。(北村に)パソコンは点けっぱなしですか?」

北村「そうだね、画面だけ電源を消して――」

「モニターだけ切って。はい、解りました」

中村「掲示板の返事を見てみたいな」

「えーとー、"アポカリプス"ですね。誰かが教えてくれたことにしよう。そこのファンサイトの常連のムーアさんという人がですね、『わたしも詳しくは知らないのですが、イギリスのオカルト関係・宗教関係のサイトのようです』と教えてくれますね。『アヤセさんの作品コンセプト――目で見ずに自然界を捉える――というのと結構似たような教義を持った団体らしく、人間の目で見ている世界は偽物にすぎないという思想のもと、活動をしていたらしいです。その団体の教義に何か関わりのある、その団体にとって非常に重要な紋章か何か――詳しくは知りませんが――独特な幾何学模様状の形、そういったものをウェブサイト上に載せていたようです』と。古い書物からの抜き出しとかいう話らしいね」

中村「アドレスは判るんですか」

「『現在は消滅しているようです』ともある」

中村「そうですか……」

山田「私は美穂さんの返事待ち」

「まだ返ってないですよ」

中村「まだ感想はないのかな。あのソフトを起動したという」

「あぁ、ないですね」

北村「じゃあ、俺、出しときます、掲示板に。ソフトを起動した感想――起動するときには体調に気をつけたほうがいいですよ、と」

「なるほど、そんな感じですね」

山田「とりあえず、次の日になったら買い出し。メモリーの。あとハードディスクかな」



8月28日(月)――

「じゃあ、次の日になりました」

山田「買い出しー。買ってきて、じゃあ起動させようかなぁ。――でも気をつけろって言ってたよな」

「どうします?」

山田「ちょっと北村さんに連絡したいんだけど。とりあえず車で。家の前まで」

「実際に行くんだ?」

山田「ガンガンガンガン(激しいノック)」

中村「ところで、そのソフトは終了できるはずじゃないの?」

山田「まあ、セーブはできるっていう」

中村「みんな熱中して書き込みに来ないのかな」

山田「ああぁ」

中村「目が離せなくなって。――掲示板の書き込み状況っていうのは、以前と変わらないのかな? 内容はともかく、書き込み件数は」

「うーん、今日の段階では、まあ、何とも言えないですね」

中村「書き込みが減ってるというか」

「目に見えて減っていたりとか増えていたりとか、そういうのはないね。判らない、まだ」

山田「んじゃ、ピンポ〜ン♪」

「そういえば、北村君の家に人が来た」

北村「なんだろう。はい、どちら様でしょうか」

山田「先輩〜っ、私でーす。山田でーす」

北村「あ、山田。えっ、何? どうしたの?」

山田「いや、昨日のメールが気になって。ちょっとウチに来てもらいたいんですけど」

北村「別に構わないけど。わざわざ来てくれたんだ、ありがとう。じゃあ行く」

「わざわざ迎えに来たんだ(笑)」

北村「先に電話もしないで来たんだ(笑)。いないかもしんないのに」

山田「うん。ダイレクトで引っ張ってこようと思ってるから。
 見てください、こんなにメモリーとハードディスク買っといたんですよー。あのソフト動かすために」


(学生の分際で……)


北村「凄いね、なんか」

山田「あとスターのところにも寄ってみますんで(笑)。ここもアポなしで」

「どうせ暇だろう(笑)。あ、でもなぁ、毎日仕事あるかないかチェックくらいは――しないといけないな」

山田「(笑)今日は?」

「えーと、<幸運>振って、幸運と出たら仕事あり」

山田「うわー、そうなのか(笑)」

中村「50%もあるよ」

山田「五分五分かよ、しかも(笑)」

「一週間に3、4日。売れてねぇなぁ」

中村「じゃ、今日は――(コロコロ……)ない!」

「オフだオフ(笑)」

中村「オフだ! 91だもん。ない」

「いいんだか悪いんだか」

山田「ブー、ブー(ブザー音)」

中村「今日は暇だから、ついてくか。用件は聞かずに(笑)」

山田「連れてきました」

「はい、じゃあ、山田んち」

山田「美穂さんからの連絡は、まだ来てないよね?」

「はい」

山田「どこ行っちゃったんだろうなぁと思いつつ、ハードディスクとか増設して――」

「はい、繋げた。あべこべに繋げた(笑)。あっぺとっぺに繋げた(方言)」

山田「データはノートのほうに全部移しといて、じゃ、インストールと」

「みんなで見るの?」

北村「うん、またちょっと見てみよう。気持ち悪くなるかどうか」

「じゃあ、見た。えーと、例のような模様が描かれる。<幸運>振ってください」

山田「北村さん、何がおかしいんですか? って言いながら――(コロコロ……)成功」

「成功ですか。――じゃあねえ、面白い形の幾何学模様が描かれてるなぁーと思うけど」

山田「何が体調なんですか、北村さん?」

「北村さんは<アイデア>振ってください」

北村「(コロコロ……)あ、成功した」

「成功した? それじゃあねぇ、北村さんのとこに送られてきたのと、微妙に描かれ方が違うような気がする。若干。ほんの微妙な違いが、全体的な印象を変えてるね。こっちは全然見てても平気です。心揺さぶるものがないと言い換えてもいいですが。
 ――更に見た人全員、<クトゥルフ神話>ロール!」

<一同>「ええ〜っ!」

(コロコロ……)

山田「気づいてほしいんだけどなぁ――55(失敗)」

中村「99(笑)」

北村「失敗」

「あー、じゃあ解んないねぇ、まだまだ修行が足りない」

北村「こっちは全然平気だなぁ、って言いながら」

山田「そんなに違うものなんですか?」

北村「別に違うってわけじゃあ……」

山田「解んないですねぇ、先輩も。そんなに違うんだったら見せてくださいよー(笑)」

北村「機会があったら。ウチに来れば見れるよ」

山田「これ結局どうするんでしたっけ? 北村先輩。あと何すればいいんですか?」

北村「何すれば? ――メールに添付して送り返せばいいんじゃないのか?」

山田「ほっとけばいいんですね?(笑)」

北村「うん」

山田「じゃ、ディスプレイの電源を一応消します。で、ネット関係のほうはノートに繋ぎ変えます」

「はい、OKです」

山田「あとは、やることないなぁ。返事も来ないし――。スターのところには、パソコンないんだっけ?」

中村「買ってくるか」

「ええっ? そんなお金があるんですか」

中村「ないよ。ないけどね」

「キャッシングして」

山田「事務所から」

中村「後輩の芸人から(一同笑)」

山田「うわーい、最悪だ(笑)」

北村「後輩って言っても、まだ21でしょう?」

山田「まだ若手(笑)」

中村「しょうがないな、じゃあ特番に出て、商品を貰ってこようか。パソコンが商品で出てる特番に出て、貰う――というのを28日にやる」

「やる、じゃなくて(笑)。そういうのは事務所が決めるんだろう」

北村「呼ばれてもいないのに」

山田「しかも、もうその商品貰ってるし」

中村「今、貰って帰ってきたところ」


(却下)

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