HAUNTER OF THE DARK:闇をさまようもの、ニャルラトテップの化身
― H・P・ラヴクラフト 『闇をさまようもの』
H.P.Lovecraft,"The Haunter of the Dark"
◆この姿のニャルラトテップは、どこか巨大なコウモリ人間のような姿をしています。ただひとつの顔の特徴と言えるものは、三つの真っ赤に燃える瞳がひとつに合わさったものくらいのものです。<さまようもの>は半実体に過ぎず、濃い煙のようなもので形成されているように見えます。<さまようもの>は必要とあれば、固い物質を通り抜けて進むことが可能ですが、それにもかかわらず、そういった物体を持ち上げたり動かしたりすることもできます。この形態のニャルラトテップは、夜明けに飛ぶもの、あるいは全ての蝙蝠(コウモリ)の父として、ユゴスよりのものたちによく知られています。またオーストラリアや、ひょっとしたら世界の他の地域でも、蝙蝠の父として信仰されているかもしれません。
この化身は、星明かりのように非常に薄暗い光にしか耐えることができません。あらゆる眩しい光は、<さまようもの>に害を与える要因となります。そのため<さまようもの>は完全な闇の中にしか現れようとしません。
ロウソクの光でさえ、ラウンド毎に1ポイントのダメージを与えます。他の光の場合、1ラウンド毎に、懐中電灯や松明なら1D6、満月の光なら2D6、ヘッドライトや外灯なら3D6、完全な陽光ならば10D6ものダメージを与えます。こいういったしっかりとした光は、さながら陽光が朝霧を焼きつくすかのように、この化身を崩壊させてしまいます。しかし雷や閃光のようにとても短い光の場合は(たとえそれがどんなに強いものであろうとも)、<さまようもの>に害を為しません。
<さまようもの>は、輝くトラペゾヘドロンとして知られている、太古の外宇宙の人工物と密接な関係があります。輝くトラペゾヘドロンを用いた儀式を執り行うことにより、<さまようもの>は召喚されます。この奇妙な石を光のもとに曝すことにより、一時的に<さまようもの>を退散させることができます。
<さまようもの>の攻撃方法は、まるで取り憑くかのように犠牲者の体内に煙状の肢を伸ばし、精神的に「捕まえる」ことです。この攻撃は、頭蓋骨のてっぺんに穴を開け、犠牲者の脳をむさぼり食う間に、肉や骨を燃やし、溶かすというものです。犠牲者の身体は黒こげになり、黄色い染みの跡がついて取り残されることとなります。また、この怪物は犠牲者を掴んで、連れたまま一緒に壁や他の固い物質を通り抜けて飛ぶことも可能です。このような犠牲者は、陰気でおぞましい場所に運ばれて二度と姿を見せることがないか、もしくは可能な限り高いところから、ぶっきらぼうに落とされるかします。
闇をさまようもの、夜明けに飛ぶもの、全ての蝙蝠の父
ダメージ・ボーナス:該当せず
STR 28 CON 22 SIZ 24 INT 20 POW 22 DEX 23 移動 10/飛行 20 耐久力 23
武器:巻き込んで燃やす 100%、ダメージ 毎ラウンド2D6(逃れることはできません)
脳をむさぼり食う 自動、ダメージ 巻き込み終えたラウンド毎に1D6
グラップル 95%、ダメージ 運び去るか非常な高さから落とす
装甲:なし。しかし物理的な武器は<さまようもの>に一切ダメージを与えません。冷気、炎、化学物質、電気も全くダメージを与えません。光と魔術だけが<さまようもの>に影響を与えます。
呪文:キーパーが望む呪文を幾つでも
正気度喪失:<さまようもの>を見て失う正気度ポイントは1D6/1D20です。