― ブルーツーオールダー 『こんな子もいるのだ』
◆タタリガミは決まったカタチを持ちません。この生き物はすべての神話怪物に宿る可能性があります。その神話怪物が思考する分野においてある特定の対象(時として事象)に強烈な憎悪の念を持ちながら死亡、あるいは退散させられた場合、その肉体を奪い取り、代わって復讐を果たそうとします。タタリガミに乗っ取られた者は、復讐を果たすまでは自我を失い、すでに死亡しているなら復讐を終えても生き返りません。
タタリガミは、黒くて短いたくさんの触手のようなもので宿主の全身を覆います。この触手は感覚器官で、宿主が憎悪の対象としていた相手のみを的確に感じ取り、執拗に追いまわします。タタリガミの宿主は、呪文や知的活動の多くを制限されますが、肉体的能力は大幅に飛躍します。タタリガミの宿らない対象は、いっさいの知的活動をおこなわないもの(INTが0)や、実体を持たないものです。
神話怪物(ときには人間や動物も含む)がなんらかの方法で死亡、ないし退散させられるとき、キーパーがその怪物が憎悪の念を強く持っていると判断したなら、その神話怪物のINTの値でロールをおこない、成功するとその怪物はタタリガミとなります。また、望むなら、怪物が残していった自分の体の一部をタタリガミにしても構いません。タタリガミが宿主の憎悪の対象を満足行くまで破壊しつくすと、宿主は解放されます。また、確率としては低下しますが、タタリガミがタタリガミになることも!
タタリガミがどのような生態を持っているのかはよく分かっていません。ただ、あらゆる媒体の精神的カタルシスを処理するために存在しているようです。たとえるなら、タンパク質を分解する菌や木を分解するシロアリのように、思考のなかにおける憎悪という名の事柄を処理するために存在する分解者のようなものなのかもしれません。
突進攻撃:タタリガミ(の宿った肉体)は対象めがけて何も考えずに突進します。何者もそれを止めることはできません。宿主が空を飛べるのなら、もちろん飛行も行ないます。移動の2倍の直線距離までにあるすべての対象を巻きこむ突進を行なおうとします。<ジャンプ>か<回避>に成功しなければ、突進の衝撃をわずかにでも受けた者は弾き飛ばされます。
取りこみ攻撃:突進後、タタリガミの正面にいた者は(タタリガミよりSIZの小さな対象に限り)そのままタタリガミの触手に取りこまれ、タタリガミの体の一部にされてしまいます。取りこまれた対象は強烈な暑さと倦怠感に似た眠気に襲われます。犠牲者は毎ラウンド<POW×1>のロールをおこない、成功しつづける限り、(犠牲者の<STR>とタタリガミの<STR>の対抗表参照)脱出を試みることができます。<POW×1>のロールに2度失敗した犠牲者は、そのままタタリガミの中に取りこまれ始め、1時間に2ポイントの耐久力とINTを失い、およそ半日で完全にタタリガミの体の一部となります。途中、もし何かに救出されたとしても、もう犠牲者は完全にタタリガミに支配され、元の状態に戻ることはありません。キーパーは取りこまれていた時間に応じて、回復の見込みがあるかどうかを判断しても構いません。1時間以内であれば、完全に回復することがあるかもしれません。
タタリガミ、終焉に目覚めるもの
能力値 | ロール |
STR | 宿主の2倍 |
CON | 宿主の2倍 |
SIZ | 宿主と同じ |
INT | 宿主の1/2(切り上げ) |
POW | 宿主の1/2(切り上げ) |
DEX | 宿主の2倍 |
移動 | 宿主の2倍 |
耐久力 | 宿主の元値の2倍 |
武器:押しつぶし 80%、ダメージはdb
触手 100%、ダメージは上記
装甲:元の宿主の装甲+3ポイントのぬらぬらした触手。タタリガミは1ラウンドに1耐久力を回復します。
呪文:なし(宿主の知ってる呪文のうち、《召還/従属》《招来》の呪文以外すべて使用不可)。
正気度喪失:タタリガミを見て失う正気度ポイントは、1/1D6です。